2015/03/04 本日の日本経済新聞より「目覚める資本 質を磨く 関係者に聞く(上) 社外取締役」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資情報面にある「目覚める資本 質を磨く 関係者に聞く(上) 社外取締役」です。





生かすのは経営者の腕 良品計画会長・松井忠三氏

 ――2002年に社外取締役を導入した理由は。

 「01年の社長就任当時、当社は中間期で初の赤字となり、業績回復が喫緊の課題だった。社長を1年やってみて社内の常識に従ったやり方には限界があると感じ、社外の先人たちの意見を聞くことに決めた。振り返ってみていい選択をしたと思っている」

 ――社外の意見をどう経営に取り入れましたか。

 「個人の経験や勘に頼らないマニュアル作りの際、スタッフがみつけた問題や改善点をその都度に細かく反映できる仕組みにした。これは当時の社外取締役、しまむらの藤原秀次郎氏の助言に従ったものだ。時代ごとに変わる顧客ニーズに対応する柔軟さを確立し、現在も受け継いでいる」

 「以前はあうんの呼吸で簡単に流したような話を、理屈が通るまで取締役会で議論するようになった。14年に稼働した埼玉県の物流拠点は当初、別の土地・建物を借りる予定だったが、社外取締役の猛反対を受けて探し直した。結果的に費用を大幅に削減できた」

 ――社外取締役の人選で心がけていることは。

 「メーカーや金融系など異業種の方にお願いしている。業務ノウハウを効率化する『見える化』や人事制度の見直しでも、社外取締役の知見が参考になった。社内ではなく異業種の常識こそが経営の質を磨く」

 ――東証が上場企業に複数の社外取締役を選任するよう促しています。

 「いいことだが、形式だけではいけない。社外取締役を生かすのは経営者の腕次第だ。選任しても実際の業績が伸びなければ、生かせていないことになる」

(聞き手は竹内宏介)

成長へ社内論理を排除 経営共創基盤CEO・冨山和彦氏

 ――社外取締役が果たす役割は。

 「企業経営に客観的な視点を持ち込むことだ。バブル崩壊後の日本企業は世界でシェアを失い、利益率が低下した。内部の取締役を頂点にした同質的で排他的な組織が、変化の激しいグローバル時代と不適合を起こしているのは明らかだ」

 「社外取締役の存在が取締役会に緊張感を与える。通常の業務執行についてよりも、会社の方向性を決める重要な局面でしっかり考えを伝えることが大切だ」

 ――同時に社外取締役の質も問われます。

 「それは当然だが、社外が誰もいないよりは一人でもいた方が絶対にいい。実際にはグローバル経営の経験者がいることが望ましいし、弁護士や官僚OBだって見識のある人材はいる」

 「私が社外取締役を務めるオムロンでは、社長を決める諮問委員会の半数を社外が担い、社内の論理は通用しない。革新的でグローバルに飛躍できる経営者は誰か。4年前、執行部が出してきた最終候補をもとに我々が社長を選んだ」

 ――株主の声を代弁する役割もあります。

 「短期的な利益を得ようとする株主を代弁する気はない。株主が潤うには、社員など多くの利害関係者の前向きな取り組みが欠かせない。企業統治は会社をよくするための手段であって目的ではない。長期的な成長へ、多様な取締役と社員が共通のゴールに向かって努力を重ねるのが重要だ。東証の新たな企業統治指針は大切だが、企業が一夜で生まれ変わるわけではない。上場企業には慌てて成果を求めるのでなく長期的な取り組みを期待したい」

(聞き手は川上穣)



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