2015/03/05 本日の日本経済新聞より「大機小機 欧州問題は金融から政治に」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合2面にある「大機小機 欧州問題は金融から政治に」です。





 1月末に欧州中央銀行(ECB)は設立後初めての量的緩和実施を決めた。これにより欧州の景気失速には歯止めがかかったが、欧州の財政主権は各国にあり、量的緩和の効果には限界がある。域内格差や雇用の改善には構造改革が不可欠で、各国政府の政治力が試される。

 しかし、今の欧州の政治は反EU、反緊縮、反移民を主張する極右や急進左派が勢力を拡大しており、極めて不透明である。今後、市場の関心はECBから政治の動きに向かうだろう。

 ギリシャ総選挙では急進左派が勝利した。ギリシャの経済規模はユーロ圏の国内総生産(GDP)の3%以下で、財政破綻しても影響は小さい。しかし「Grexit」という造語が再び注目されているように、ユーロ離脱は南欧諸国への連鎖が懸念される。

 今年の秋に総選挙があるスペインでは、ギリシャ急進左派と連帯するポデモス(We Can)党が勢いづいており、イグレシアス党首は「ドイツのメルケル首相は虐げられた欧州の人々の敵である」などと公言している。この発言は欧州で独り勝ちを続けるドイツへの反発と、そのドイツによる厳しい緊縮策への南欧諸国に共通する思いであろう。

 フィンランドでは反移民、反EU政党が躍進し、5月に総選挙がある英国でも反EUを掲げる英国独立党が支持を広げている。英国のEU離脱の賛否を問う国民投票も1年前倒しで来年に実施されることが検討され始めた。そして2017年に総選挙があるフランス。反EU、反移民の極右「国民戦線」のマリーヌ・ルペン党首が大統領になる可能性も出てきた。仏大統領が反EUになれば、欧州の政治・経済は大混乱に陥ろう。

 オーストリアのウィーンでは5月、欧州最大のイベント「ユーロビジョン・ソングコンテスト」が開かれる。世界の7億人が視聴するといわれ、1956年に始まって以来、常に欧州の連帯と団結を鼓舞してきた。

 10年にドイツ代表が勝利した際、ドイツ国民は視聴者投票で示された欧州諸国の温かい支持に感激し、当時ギリシャ向け救済基金への資金供出に批判的だった世論は一夜にして軟化した。

 今年の大会も各国間の不信を和らげ、欧州統合の熱意を取り戻す機会となるだろうか。

(逗子)

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