2015/03/10 本日の日本経済新聞より「一目均衡 ROE最貧国からの脱出 編集委員 三反園哲治」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資情報面にある「ROE最貧国からの脱出 編集委員 三反園哲治」です。

結局、企業はビジネスですので、お金をうまく使って効率的に稼ぐ力を持っている会社、そういう会社に更に資本が集まるということです。





 山陽新幹線を広島県の福山駅で降りるとテレビドラマ「流星ワゴン」のポスターがよく目についた。福山市の景勝地「鞆の浦」がロケ地となり、地元は知名度アップに熱が入る。しかし、福山市には今や世界が注目する会社がある。思い切った資本政策を発表し、株価が急伸した青山商事だ。

 「自己資本利益率(ROE)を意識した経営を求める方向へ社会の流れが変わった。当社の株式の約40%を持つ海外投資家の理解を得るためにもROEの向上が必要と考えた」。青山理社長はこう語る。

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 青山商事は純利益の130%相当を配当や自社株買いに回す方針を1月下旬に公表した。M&A(合併・買収)による事業領域の拡大などと並び中期経営計画の柱の一つだ。計画の最終年度にあたる2018年3月期にはROEを7%へ上げる目標も掲げた。

 昨年スタートした株価指数「JPX日経インデックス400」に、同業のAOKIホールディングスが入る一方、紳士服トップの青山商事は選から漏れた。指数は資本効率などをもとに会社を選別する。ライバルの前期ROEが8%台に対して青山商事は5%台だ。青山商事は膨らみすぎた資本を圧縮しつつ、利益も伸ばしROEを高める。

 海外投資家に影響力を持つ米国の議決権行使助言会社は、資本効率の低い会社の経営トップの再任に反対する方針を公表している。政府も成長戦略の一環として企業に経営改革を迫る。上場会社に財務戦略などを提案するゴールドマン・サックス証券の清水大吾氏は「ROEを高めるよう企業への圧力が一段と強まってきた」と話す。

 名古屋市のサンゲツは昨年11月、純利益の100%以上を株主配分する方針を発表した。自己資本比率は80%を超え過去5年間のROEは平均3%台だった。安田正介社長は「ROEが低いまま余剰なキャッシュを抱えていては、株主の理解を得られないと考えた」と打ち明ける。昨年3月末で約1200億円あった自己資本を、3~5年かけ100億~200億円圧縮する方針を掲げる。

 安田社長は資本政策を練る際、株主である独立系運用会社みさき投資に助言を求めた。株主との対話を経営に生かす好例でもある。みさきの中神康議社長は海外に比べ日本企業のROEが低い現状を「ROE最貧国」と呼ぶ。「ROEなど資本生産性を高める動きが広がり、資金獲得の面で日本企業の国際競争力が高まってほしい」と期待する。

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 資本生産性の低さが海外投資家が日本を敬遠してきた理由だ。中神氏によると13年までの10年間の平均ROEは日本が約7%で、米国の約15%、中国やブラジルのそれぞれ12%台などに劣る。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏もかつて、日本株を買わない理由としてROEの低さをあげた。株高を維持するには、企業がROE最貧国の汚名を返上する努力を続けることが欠かせない。



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