2015/03/14 本日の日本経済新聞より「進化に挑む回転ずし(下)売れるネタ、予測に磨き」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の消費Biz面にある「進化に挑む回転ずし(下)売れるネタ、予測に磨き」です。





 今月6日、愛知県安城市に一風変わった「カフェ風」回転ずし店が開業した。カッパ・クリエイトホールディングスが既存店を改装した。屋号は「かっぱ寿司」だが、内外装と看板は白を基調に一新。パフェなどスイーツを増やした。叔母と来たという20代の女性は「居心地がよくて長居してしまいそう」と話す。

白を基調にした明るい店舗で新しい客をつかむ(愛知県安城市、かっぱ寿司の店舗)

 カッパは昨年末、外食大手のコロワイドの傘下に入った。カッパは過去に品質を犠牲に低価格に走り客が離れ、2015年3月期は3期連続の最終赤字の見通し。かつて業界首位だった同社のつまずきは、顧客の選別の目の厳しさを物語る。新型店は「経営再建の一里塚」(カッパ首脳)だ。

「大手は2社に」

 コロワイドは12年に焼肉店「牛角」を買収するなど外食企業の再建を得意とする。野尻公平社長は「カッパの出店を加速して、日本一を奪回したい」と鼻息が荒い。ゼンショーホールディングス傘下の「はま寿司」は年70店前後のハイペースで出店している。ある外食企業の経営者は「店舗の飽和感が早晩強まり、大手チェーンは2社に絞られる」と指摘する。

 安易な値上げは許されない。いまも郊外店では税別「1皿100円」が売りもの。調査会社のエヌピーディー・ジャパン(東京・港)によると消費者が回転ずしを選ぶ理由は「価格が手ごろ」が37%と最も多い。

 生き残りに向けた試みのキーワードが「需要予測」だ。

 席に通されたとたん、食べたいすしが次々に流れてくる――。近い将来こんな店が実現するかもしれない。

「捨てない」競う

 あきんどスシローは2月、スマートフォン(スマホ)用の予約アプリをほぼ全店に投入した。狙いは客の利便性アップだけではない。アプリで予約した客の注文傾向を把握して履歴を残せば、次の来店時に売れそうなネタを流すことができる。

 売れるかどうかわからない商品を流す回転ずしは「捨ててしまう商品量をいかにコントロールできるか」(同社)が利益のカギだ。スシローは時間帯や過去の混み具合の実績を基に、1分後と15分後の需要を予測して商品を流す仕組みを導入済み。予約アプリを使った需要予測は他の大手も検討しており、回転レーンの裏ではハイテク競争が繰り広げられている。

 富士経済(東京・中央)は回転ずしの15年の市場規模は5700億円で、伸び率は前年比0.9%にとどまると予測する。競合するファミリーレストランは「価格が少し高くてもおいしいものが食べたい」という消費者ニーズで息を吹き返し、成長へのハードルは一段と上がった。革新を続ける企業だけが生き残りの権利を得ることができる。

 藤野逸郎、安倍大資、岩沢明信が担当しました。

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