2015/03/15 本日の日本経済新聞より「寝付き測定 睡眠計で 自宅で簡単に/生活習慣見直す」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の健康面にある「寝付き測定 睡眠計で 自宅で簡単に/生活習慣見直す」です。





 眠っている時の身体情報を手軽に記録できる「睡眠計」が相次いで登場している。これまで分からなかった自分の睡眠の様子を客観的に観察でき、健康の意識の高い人たちに人気だ。連続して記録しておくと、快眠に向けて昼間の生活習慣を見直すきっかけになるという。睡眠計はどうやって使うのか、何が分かるのだろうか。

電波で睡眠状態を計測するオムロンヘルスケアの睡眠計

 人間ドック専門の四条烏丸クリニック(京都市)は2013年夏から睡眠検査の受け付けを始めた。医療機器開発のスリープウェル(大阪市)が販売する小型脳波計を、診断希望者の自宅に送り2日間記録を取る。配送料を含め約2万円かかる。

 機器本体は手のひらに収まる大きさ。額の中央と首元に電極を張り、脳波を計測し記録する。それまで脳波を計ろうとすると、体のあちこちにセンサーを取り付けるため緊張を強いられ、普段通りの睡眠を観察するには不向きだった。この装置を開発した筑波大学の裏出良博教授は「最小限の電極で正確な情報を得られる」と特色を解説する。

脳波から解析

 睡眠は大きく分けて4段階あり、脳波で判定できる。まどろんだ状態になると「シータ波」が出る。深い眠りの時には「デルタ波」になる。こうしたデータをスリープウェルが解析し、寝付くまでの時間や睡眠の途中に目覚めてしまう回数や時間、深い睡眠の程度や割合などを割り出す。2~3週間で結果が分かる。

 結果の報告には注意を払っている。睡眠にはまだ分かっていない点が多く、快不快の違いに個人差がある。年齢によっても変化する。

 たとえば、寝付きが悪いと快眠できないといわれる。報告書の解説では、寝付くまでに「30分以上かかる日が続く場合は、生活の習慣を改善するなどの注意が必要です」と記した。また、睡眠の途中に目覚める割合が高まると睡眠の質は低下する。その解説は「(目覚めの比率が)10%程度なら心配ありません。連日20%超える場合は専門医に相談を勧めます」。

 よい睡眠が取れていない場合には改善項目を例示した。寝付きが悪い人には、昼間にできる限り体を動かしてカロリーの消費を促し、睡眠の4~5時間前には覚醒作用のあるカフェインを摂取しないよう指導する。飲酒は量によって寝付きをよくする場合はあるが、深い眠りを妨げる作用もある。寝付くための飲酒は避けるようにと注意する。

 毎月数人の利用者がいるという。「不眠で悩んでいたが、何をどう調べればよいのか分からなかった。検査で対処法をつかめ安心できた」との声が届く。生活習慣の改善にどのように役立てたのか情報を蓄積できれば、より効果的な指導が可能になる。「今後の課題だ」(同クリニックの三崎隆生事務長)

 電極など接触する器具を全く使わない睡眠計もある。オムロンヘルスケア(京都府向日市)は12年に電波で体の動きを計測する睡眠計を発売し、13年には加速度センサーで動きを検知する「ねむり時間計」を追加した。これまでの睡眠研究から、脳波と体の動きには深い関係があり、脳波を測定しなくても寝付き時間や途中の目覚め、深い睡眠のリズムなどの睡眠状態を測定できるという。

 睡眠計の場合、胸から0.5~1メートル離れた場所に置けばよい。ペットと一緒に眠る人は誤った情報を記録する恐れがあるので注意が必要だ。ねむり時間計も枕元に置くだけだ。眠る時に開始ボタンを押し、起床時に終了ボタンを押す。寝床で読書する人は本を閉じてからボタンを押す。

結果をグラフに

 家庭で毎日手軽に計測できる。オムロンヘルスケアはNTTドコモと協力してインターネットによる健康管理サービス「ウェルネスリンク」を運営している。ここに計測データを送ると、日々の睡眠状況をグラフで表示する。「ストレスが多く寝付きが悪かった日」などがすぐに分かる。

 オムロンヘルスケアには「自分の睡眠状態を初めて視覚的につかめ感激した」といった反響が寄せられているという。ねむりラボ課の船尾公喜課長は「血圧計が家庭に入ったように、睡眠計測も社会に浸透させたい」と抱負を語る。

 このほか、マットで体の動きを検知する睡眠計が市販され、最近ではスマートフォンにダウンロードして睡眠時間を測定するソフトも増えている。生体情報の計測に詳しい近畿大学の岡田志麻講師は「人生の約3分の1は睡眠時間。これまで軽視されがちだった眠りの環境を整備するきっかけになればよい」と、睡眠計測に対する関心の高まりを受け止めている。

(編集委員 永田好生)

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