2015/03/24 本日の日本経済新聞より「経済観測 米生保、日本経済どう見る 今こそ財政・構造改革を メットライフ生命保険 サシン・N・シャー社長」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済面にある「米生保、日本経済どう見る 今こそ財政・構造改革を メットライフ生命保険 サシン・N・シャー社長」です。





 日本経済は回復基調を保つ一方、少子高齢化や財政健全化といった中長期の課題にも直面している。米保険大手メットライフの日本法人、メットライフ生命保険のサシン・N・シャー社長に日本経済の見通しを聞いた。

輝く星のよう

 ――日本経済の先行きをどうみていますか。

 「緩やかに成長するのではないか。物価上昇率も低めで推移しつつ、わずかに上がっていくだろう。引き続き金利は低い水準で推移するとみている

 「世界で2番目に大きな規模の日本市場が年1~2%程度成長することは魅力的だ。グローバル経済全体をみると、日本と米国は輝く星のような存在だ」

 ――なぜ日本市場が魅力的なのでしょうか。

 「いまの日本の生命保険市場には過去と違う傾向がある。かつては医療や年金など長生きに伴うリスクは注目されてこなかった。だが、高齢化や長寿化が進む一方、若者による非婚化、晩婚化、子どもを産まないといった傾向が強くなっている。同時に財政面から公的な医療や年金が大きな圧力にさらされている」

 「日本の消費者を対象に実施した大規模な調査で最も楽観的な見方をしているのは高齢者で、若者が最も悲観的だった。若者は将来の医療、年金給付について心配しており、保険のニーズが変わりつつある。リスクが政府から消費者に移り、保険業界に商機がある」

金利リスクを懸念

 ――日本国債を大量に保有していますが、先進国で最悪という日本の財政事情に懸念はありませんか。

 「日本国債の信認や、金利上昇のリスクを注視している。政府は今こそ構造改革・財政改革をはじめる必要がある。これまでは借金の大半が(国債を通じて)国内で保有されているが、これからは(高齢化で)国内の貯蓄が減る。借金を増やす能力は限られる」

 「(8%への)消費増税は厳しい決断だったが、さらなる改革が必要だ。法人税については、税率を引き下げて投資を促す考え方は正しい」

 ――安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」のうち、金融政策と成長戦略はどうでしょうか。

 「金融緩和は最初の一歩として必要なものだったし、正しい方向に進んでいる。ただ、構造改革では、なおはっきりとした決定がない。社会保障改革と労働市場改革が重要だ」

 ――人材の多様性(ダイバーシティー)が重要と唱えていますね。

 「毎年、全世界のトップ10のビジネススクールから人材を募集しているが、3年連続で日本人はゼロだった。数週間前に米シリコンバレーで28の新興企業を訪問した。バングラデシュ人、インドネシア人、中国人、韓国人ら若い最高経営責任者(CEO)が世界中から集まっているが、日本人は一人もいなかった」

 「日本は単に移民の要件を下げるのではなく、日本の若者にもっと海外に出てもらう必要がある。国全体で移民者の成功を支援する方向に向かわないと、仮に移民が外国から日本に来てもなかなか成功できない。言葉の壁というよりも、心の持ちよう(マインドセット)の問題だ

(聞き手は編集委員 瀬能繁)

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