2015/03/26 本日の日本経済新聞より「反転うかがう地価(下)海外マネー流入 円安追い風、危うさも」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済面にある「反転うかがう地価(下)海外マネー流入 円安追い風、危うさも」です。





 「日本の不動産に投資したい」。東京スター銀行の本店(東京・港)には、台湾の個人投資家から頻繁に打診がある。

東京スター銀行は台湾の個人向けに不動産投資ローンを扱う(東京都港区)

 同行は昨年6月に台湾の中国信託商業銀行が530億円を投じて買収し、アジア投資家の日本への橋渡し役となりつつある。昨年12月には台湾客向けに、日本の不動産購入に最大5億円を融資するローン商品「東京招福星」を扱い始めた。日銀の大規模緩和で利率も年2%程度と低く、海外勢の投資意欲を刺激する。

 2015年の公示地価は全国の商業地がマイナス圏から脱し、持ち直しの機運がある。要因の一つは、円安で「日本の不動産が割安だ」とみた海外マネーの流入だ。

投資額2.7倍に

 都市未来総合研究所によると、14年の国内の不動産取引額は約5兆600億円と前年比16%伸びた。とりわけ外資系ファンドなど海外企業の投資は1兆円弱と前年の2.7倍だ。円・ドル相場は1年間で14%も円安が進み、海外マネーを呼び込みやすい。

 投資規模も大きい。シンガポールの政府投資公社は昨年10月、東京駅前の「パシフィックセンチュリープレイス丸の内」(東京・千代田)のオフィス部分を約1700億円で取得し、仏保険大手のアクサグループも「中野セントラルパーク」(同・中野)の東棟を約370億円で買い取った。

 大規模な金融緩和で国内マネーも不動産市場に向かいやすい。投資家から集めた資金で不動産を買い上げ、賃料収入などを分配する不動産投資信託(REIT)。急成長するのは非上場の私募REITだ。平均利回りは4%程度と相対的に高く、三井住友トラスト基礎研究所の集計では、資産規模は今年2月に1兆円を超えた。

 上場REITと異なり私募REITは金融機関などプロの投資家が対象で、多額の資金を振り向けるのは貸出先に乏しい地方銀行だ。資産1兆円のうち地域金融機関の資金は2割弱にあたる約1800億円に達し、昨年4月から700億円も増えた。「私募REITは運用難の銀行が利回りを確保できる数少ない分野」(大和証券の松野真央樹アナリスト)だ。

東京は価格高騰

 危うさもある。国内最大のREITである日本ビルファンド投資法人は、14年12月期の取得物件がゼロ。「相当数を検討したが東京はかなり価格が高騰している」(運営会社の田中健一社長)という。シンガポール公社が取得した東京駅前の物件も、国内勢は「賃料上昇をかなり強気にみている」(大手不動産幹部)と指摘する。円安の勢いが止まれば、海外の投機マネーは逆に流出に転じるリスクもある。

 不動産取引額が5兆円を超えた07年は「ミニバブル」といわれたが、その後のリーマン・ショックで市況は暗転した。今回も投機に終われば、地に足のついた地価回復にはつながらない。

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