2015/03/27 本日の日本経済新聞より「珈琲店 郊外で沸く(上) 長居許して稼ぐ 外食離れのシニア照準」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の消費Biz面にある「珈琲店 郊外で沸く(上) 長居許して稼ぐ 外食離れのシニア照準」です。





 サービスや食事を充実させた郊外型コーヒー店が人気を集めている。1990年代以降、急速に増えたセルフサービス式のカフェとは対照的にゆっくり滞在できるのが魅力だ。短時間で多くの客を取り込み利益を追求してきた外食産業が見落としていた商機を掘り当てた。「珈琲(コーヒー)店」がシニア社会の主流の外食店になるとにらみ、大手の参入も相次ぐ。

午前中に店内でくつろぐ高齢者ら(名古屋市瑞穂区のコメダ珈琲店本店)

 名古屋市の住宅街にある「コメダ珈琲店本店」。3月の平日、午前6時半の開店直後から駐車場に次々と車が吸い込まれ、9時半には全202席が埋まった。「落ち着いた時間を過ごせる」と話す男性(77)は、60歳の定年前後から毎日のように通っているという。

 コメダ(名古屋市)の2013年度の売上高は前年度比44%増の159億円、営業利益は17%増の34億円と高収益だ。14年度も2ケタの増収増益となったもようだ。店舗数は現在約620と5年で1.7倍になった。

 得意客が好む大きな理由はゆったり過ごせる雰囲気だ。アンティーク調のソファは隣の席との間隔も広く、仕切りもある。新聞や雑誌も十数種類をそろえる。サンドイッチやデザート類などメニューは豊富。午前11時までコーヒー(420円)にトーストとゆで卵が無料で付く「お得感」も人気の理由だ。

 顧客の支払額は平均650円と一般的なファミリーレストランより3割安い。顧客の回転も速くないのに、どう利益を出すのか。郊外型の珈琲店は個人経営の喫茶店の良さを復活させたようにみえる。だが先駆者のコメダの経営には顧客にみえない舞台裏にコストを抑える工夫がある。

 看板商品のコーヒー。実は自社工場で集中的に焙煎(ばいせん)・抽出し、店で温めるだけで提供する。メニューは約100品目あるが食材の種類は約200に抑える。同じ食パンで10種類以上をつくるなど材料を増やさずに巧みに選択肢を広げる。結果として作業も簡略化でき、地盤の中部では厨房の担当者は店舗に一人で済むという。

 裏通りでも車で約15分の範囲に住民が多い立地を厳選し、売上高に占める家賃の比率を10%程度に抑える。ファミレスに比べ5~10ポイント低い。

 一方、同社を追撃する「星乃珈琲店」。運営するドトール・日レスホールディングスはグループ力を最大限活用する。店で1杯ずつ抽出するコーヒーは「ドトールコーヒーショップ」と共同で豆を調達する。料理はグループのパスタ店「洋麺屋五右衛門」などと共同で利用するセントラルキッチンで加工した材料を使いコストを抑えている。

 星乃の14年3~11月期の直営売上高は73億円と前年同期比で倍増のペースだ。16年2月期も約40店の出店を計画する。

 喫茶店の市場規模は80年代前半をピークに一貫して減少してきたが、12年から増加に転じた。郊外の珈琲店の押し上げ効果は大きい。安さと効率を前面に押し出してきたファストフードなど外食産業から年を重ねた顧客は離反した。珈琲店はそれを反省した外食産業からの答えなのかもしれない。

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