2015/03/31 本日の日本経済新聞より「大機小機 デフレは終わった」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合2面にある「デフレは終わった」です。





 先日、2014年10~12月期の国内総生産(GDP)の第2次速報値が公表され、昨年の経済成長率が確定した。それによると実質でみるとゼロ成長だったが、名目では1.6%のプラス成長だった。

 とくに注目すべきは、国内生産ベースの物価を示すGDPデフレーターが1997年以来、実に17年ぶりにプラス(1.7%上昇)に転じたことである。

 アベノミクスが目指している「デフレ脱却」の政策目標は、実現しつつある、とみてよい。

 ところが専門家の間では「デフレ脱却いまだし」の空気が強い。黒田東彦日銀総裁の最近の発言からもそうしたニュアンスがうかがえる。消費者物価が原油安の影響で低迷しているからだ。

 日銀は、「異次元の金融緩和」の目標を「消費者物価の前年比上昇率が安定的に2%に達する」ことに置いている。

 直近の2月の消費者物価上昇率(生鮮食品除く)は前年比2.0%だった。消費増税の影響は2%とみられているから、これを除くと消費者物価は1年前と同じだったということになる。

 しかし、これをもって異次元緩和をさらに加速させるようなことがあるとすれば将来に禍根を残す恐れがある。政策効果の及ばない外部要因である原油安を除けば消費者物価上昇率は2%に十分に近づいているはずだ。GDPデフレーターがそのことを示している。

 GDPデフレーターでデフレか否かを判断すべき理由のもう一つは、国民のインフレ期待の醸成には、日常品の価格のみではなく、企業向け製品の価格動向もきわめて重要だからだ。

 黒田総裁は最近の講演で「人々のインフレ予想が明確に上昇した」と述べている。GDPデフレーターでそのことはほぼ実証されたのではないかと思う。

 先行きも楽観的にみてよい。政府は3月の月例経済報告で、生産や輸出が上向いているとして景気判断を上方修正した。

 問題は消費増税で冷え込んだ個人消費がまだ十分に回復していないことだ。ただ主要企業で本格的なベースアップが実現している春季労使交渉の状況から判断すれば、所得増加が消費増加につながる構図が着実に出来上がってきている。

 20年近くに及んだデフレは終焉(しゅうえん)しつつある。

(一直)

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