2015/04/02 本日の日本経済新聞より「投資信託 長期運用医の芽生え (上) 現役世代、積み立てに傾斜」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資情報面にある「投資信託 長期運用医の芽生え (上) 現役世代、積み立てに傾斜」です。





 資産を運用する個人にとって代表的な金融商品が投資信託だ。公募投信の純資産残高は2月末で約96兆円だった。9カ月連続で過去最高を更新し、大台の100兆円が近づく。株高の追い風に乗り個人マネーは動き出し、2014年に始まった少額投資非課税制度(NISA)も後押しする。投信は資産を形づくる受け皿になるか。表れ始めた変化を探る。

NISA契機に

 東京都渋谷区の自営業の男性(58)は、エネルギーに関連した企業などを資産として組み入れる投信を買っている。原油価格の下落で基準価格は昨年の夏から秋にかけて大きく下落したが、「心配していない」と意に介さない。そのカギは「積み立て投資」だ。

 積み立ては定期的に同じ額を投信に投じていく。一定額を積み立てるので、基準価格が高い時は投資口数(株式数に相当)を少なく、安くなれば多く買う。基準価格が下落すると投資の平均価格を抑えることになり、売り買いのタイミングに頭を悩ます必要もない。

 投資成果を得るには長期間待たなければいけない。値動きを見極め手っ取り早く利益を上げようという投資家には不向きで、積み立て投資は十分根付いてこなかった。

 この状況にくさびを打つと期待されるのが、NISAだ。前出の男性は投資歴10年だが、エネルギー関連投信を毎月1万円ずつ積み立て始めたのは約1年前。年100万円の投資額を上限に投信の売却益などが5年間非課税になるNISAの枠を利用する。「長期保有を考え、価格変動の影響を受けにくい積み立て投資を選んだ」という。

 日本証券業協会によると、昨年1年間で主要証券10社を通じて約24万5000人がNISA口座で積み立て投資を始めた。NISA枠を実際に使っている投資家の1割強を占める計算だ。

 これまで株式の配当にあたる分配金を毎月払うタイプの投信の人気が高かった。特に引退世代には毎月一定の現金が口座に振り込まれれば年金を補う役割を担えるため、投資家をひき付けてきた。ところが、投資家の意識が変わり始め、人気にも変化の兆しがある。

分配金は二の次

 投資信託協会の集計では、国内外の株式や海外債券に投資できる「株式投信」のうち、償還まで全く分配しないなど分配を抑えた「毎月分配型以外」の比率は2月末で46%に達した。前年同月を3ポイント近く上回り、データをさかのぼれる10年3月以降で最高水準だ。

 将来を見据えた資産づくりを考える現役世代を中心に、毎月分配金を受け取るより長期で値上がり益を狙う投資家が増えている。埼玉県草加市の会社員、江川隆さん(35)は分配金がない投信4本を毎月計5万円積み立てている。「老後の備えとして60歳まで続けるつもり。合計1800万円を元手に3000万円まで増やす」計画だ。

 1月からNISA口座で毎月分配型投信の積み立てを始めた東京都中央区の女性会社員(33)は「分配金は使わず再投資に回す」と心に決めている。毎月分配型で分配金を再投資に回す手もないわけではない。だが、通常は分配金を受け取るたびに課税され、NISAを利用しても非課税枠を消化することになる。こうした背景もあり、分配を抑えた投信の人気はじわじわと高まっている。



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