2015/04/06 本日の日本経済新聞より「イラン核合意の波紋(下)制裁解除、外資が期待 欧州勢、ガス直接供給狙う」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「イラン核合意の波紋(下)制裁解除、外資が期待 欧州勢、ガス直接供給狙う」です。





 イラン核開発問題を巡る枠組み合意がまとまった2日、ニューヨークの原油相場は一時、前日比4%安まで下落した。米欧の経済制裁が解け、確認埋蔵量で世界4位のイラン原油の輸出が本格的に再開されれば、国際市場の需給が緩むという見通しが背景にある。

 6月末までに最終決着し、イランの原油生産が制裁前に戻れば「輸出量は日量で100万バレル増えるだろう」と、同国のザンギャネ石油相は3月半ばに指摘した。これは日本の原油輸入量の3割程度にあたる。

 戦々恐々とするのは米国のシェールオイル関連企業だ。1日に講演した大手ホワイティング・ペトロリアムの幹部は、原油価格が現状の「(1バレル)45~55ドルでもやっていけるようにする」と指摘したが、イラン原油の市場復帰で価格水準がさらに下がれば苦しくなる。

石油省と接触

 期待を隠せないのが国際石油資本と呼ばれる米欧の大手石油会社だ。制裁解除を見越し、すでに英BP、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル、フランスのトタルなどがイラン石油省と接触を重ねる。

 欧州はイランの天然ガスに食指を動かす。確認埋蔵量は世界全体の約2割を占めトップだ。国内に液化天然ガス(LNG)施設がなく、現在の輸出先はトルコなど隣国に限られる。制裁が解ければパイプラインで欧州に直接供給する計画が現実味を帯びてくる。

 イランなどカスピ海周辺国のガスを欧州に送るパイプライン構想はいくつかある。基本はイランの隣国トルコからギリシャ、イタリアへと延びるルートだ。計画には民間だけでなく、ロシア産ガスへの依存度を引き下げたい欧州連合(EU)諸国政府も関わっている。

 米アップルがスマートフォン(スマホ)「iPhone(アイフォーン)」の販売拡大のためイラン市場を調査――。昨年秋の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ほかにもゼネラル・エレクトリック(GE)などの米企業がイランでの販売代理店を探し始めた。

手つかずの沃野

 昨年には米ボーイングが1979年のイラン革命後初めて、イランに航空機部品を輸出した。米国とイランは革命を機に断交したままで、米企業にとってはなお手つかずに近い沃野といえる。

 イランの人口は約7800万人で、1人当たり国民総所得は約6000ドルだ。有望な新興国の一つとみられている。若者は政府のインターネット規制をくぐり抜けて米欧の情報に接し、流行にも敏感だ。フランスやイタリアからは昨年、大規模な企業団が訪問した。

 人気の日本車の組み立て生産は制裁下でも途切れていない。制裁が解除されれば部品輸入が安定して生産性は上昇する。

 課題は老朽化した石油生産設備の更新や補修に時間とコストがかかることだ。制裁によって保守がうまくいかず、道路や通信網などのインフラも再整備が必要な状態だ。

 「イランが合意を守らなければ制裁は直ちに元に戻る」。枠組み合意後の会見で、ケリー米国務長官はクギを刺すことを忘れなかった。

(ドバイ=久門武史)

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