2015/04/13 本日の日本経済新聞より「月曜経済観測 米利上げ、時期とペースは 9月以降の公算、緩やかに 元FRB調査統計局長 デビッド・ストックトン氏」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の面にある「米利上げ、時期とペースは 9月以降の公算、緩やかに 元FRB調査統計局長 デビッド・ストックトン氏」です。

米国の金融政策の転換時期について、この記事を読むと、9月とも、それ以降とも言えるような気がします。労働需給が引き締まる中、今後の非農業部門の雇用者増が20万人をコンスタントに上回り続けるか、不透明感が出てきているように感じます。





 3月の雇用統計が市場の予想を下回り、米経済のもたつきを懸念する声も出てきた。利上げの時期とペースはどうなるのか。デビッド・ストックトン元米連邦準備理事会(FRB)調査統計局長に聞いた。

雇用の回復続く

 ――米景気の基調に変化はないでしょうか。

 「天候不順やドル高などが重なって、1~3月期の実質成長率は前期比年率で1%近辺にとどまったのではないか。最近の弱い指標のいくつかを心配する向きがあるのは事実だ」

 「だが2015年は2.75%程度の成長率を確保できる。原油安や株高が個人消費を下支えするだろう。ドル高の影響がこれから本格化するので、16年は2.5%弱まで落ちる」

 ――3月の非農業部門の雇用増は、前月比12万6千人に減速しました。

 「過大に捉えない方がいい。雇用統計の先行指標といわれる週次の新規失業保険申請者数は、ほぼ15年ぶりの低水準だ。昨年ほどの勢いはないかもしれないが、少なくとも今後6カ月間は月20万人の雇用増を見込める。失業率も年内に5%強まで下がるだろう

 「景気の回復に伴って、労働需給は徐々に引き締まりつつある。3月の平均時給は前年同月比2.1%上昇し、やや伸びが高まる兆しも出てきた。ただ長期失業やパート労働に甘んじている人はまだ多い」

 ――消費者物価の上昇率は低いままです。

 「原油安やドル高などの影響で、15年の上昇率は1%程度にとどまる。賃金が上がっても、大幅な伸びを期待するのは難しく、FRBが目標とする2%に届かない状況が続く。これは確かに深刻な問題だ

 ――それでもFRBは利上げに動けますか。

 「3月の雇用統計が振るわず、6月の利上げ開始は遠のいた。9月の公算が大きいと思うが、それ以降にずれ込む可能性も出てきたのではないか。FRBは利上げが遅れて景気が過熱するリスクよりも、利上げが早すぎて景気が失速するリスクを警戒している」

 「利上げのタイミング以上に重要なのはペースだ。長引く米国の低インフレや世界経済の回復力の鈍さからみて、いまのFRBの想定よりも緩やかな利上げになりそうだし、その方が適切に思える。15年は1~2回、16年以降は年4回以内に抑えるとみている」

10%延期は適切

 ――日欧が量的金融緩和を続け、米国が利上げに動けばドル高が進みます。

 「日欧の量的緩和はデフレの封じ込めが目的で、極めて正しい政策だ。為替操作という批判は当たらないし、日欧の景気が回復すれば米国も恩恵を受ける。ただFRBが利上げのペースをうまく調節しないと、金利とドルの上昇が米経済に打撃を与えかねない」

 ――日本経済の先行きをどうみていますか。

 「3%の消費税率引き上げという増税の規模に比して、景気への影響が大きかったことに驚いた。日本経済の地力が予想以上に弱かったということだろう」

 「15年の実質成長率は1%をわずかに下回りそうだが、原油安や円安の効果で改善に向かう。消費税率10%への引き上げを延期したのは適切だった」

(聞き手はワシントン支局長 小竹洋之)

David Stockton 現在は米ピーターソン国際経済研究所上級研究員。61歳

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