2015/04/15 本日の日本経済新聞より「大還元時代 (1)トヨタ「1兆円台」へ迫る」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資情報面にある「(1)トヨタ「1兆円台」へ迫る」です。

ROEが企業の資本効率を評価する有力なベンチマークとされている今、総配当性向も株式市況では重要な意味を持っているようです。トヨタは、いわゆる株主還元の総額で1兆円、総還元性向として利益の実に47%もの還元を実施しているそうです。その他にも成長のための投資として設備や研究開発にも各1兆円を投じたとのことで、こうした総合的な評価により、今の株価押し上げにつながっているものと思います。





 日本企業が株主への利益還元を増やしている。業績拡大や政府の企業統治改革を受け、余分な資金をため込まず積極的に投資家に戻そうという機運が高まり、配当を増やすほか自社株買いにも動いている。日経平均株価は先週、15年ぶりに一時2万円台を回復。株価が上昇を続けるには、利益成長とともに株主への還元姿勢がカギを握る。

 株主還元の総額で「1兆円」企業が誕生しそうだ。2015年3月期に連結純利益が初めて2兆円を上回り過去最高益となったとみられるトヨタ自動車だ。

 2015年3月期の配当総額は、同社が目安としている配当性向(30%)から試算すると6300億円(前の期は約5200億円)を上回る。自社株買いも約3600億円実施しており、これを合わせると1兆円に迫る計算になる。

手元資金を活用

 トヨタは前期、設備投資、研究開発費にもそれぞれ約1兆円を投じた。豊富な手元資金を活用して、将来への成長投資とともに、株主にも多額の資金を振り向ける。業績の拡大を背景にしたこの「3つの1兆円」が投資家の信頼を支える。

 利益のうちどれだけの割合で配当と自社株買いに振り向けるかを示すトヨタの総還元性向は、15年3月期に5割弱となりそうだ。自社株買いがなかった14年3月期の29%から大きく上昇する。

 株主還元での1兆円予備軍は多い。配当と自社株買いを合わせた金額の多い企業をまとめたところ、2位に入ったのがNTTドコモだ。金額は前の期比3倍近く増え約7400億円に達する。

 定額通話など新料金プランが増えて15年3月期は業績が苦戦したようだが、投資家のつなぎ留めに向け、あえて配当を増やし、自社株買いも実施した。総還元性向は100%を超え、利益を超える額を投資家に戻す。

 三菱商事は前期、7年ぶりに自社株買いを実施。配当も2円増やし、還元総額は1740億円と純利益の4割超に達する。「自社株買いは将来の配当コストを減らすとともに、収益拡大への自信を市場に示すことにつながる」と内野州馬・最高財務責任者は指摘する。

 株主に対する利益還元強化の波は日本企業に着実に広がっている。

 2月、半導体商社のリョーサンの中期経営計画の修正が市場で話題となった。昨年6月に発表したばかりの内容を刷新、資本効率の改善を新たに目標に盛り込んだのだ。増配や自社株買いで資本をスリム化し、自己資本利益率(ROE)を中長期で8%(14年3月期は2.7%)に高める。

 同社によると、「株主の海外投資家と企業価値の向上について話し合った結果だ」という。

 上場企業の配当と自社株買いの合計額は14年度に約13兆円と13年度比で2割増え、過去最高を更新する見通し。「総還元額は15年度も最高になるだろう」と、野村証券の西山賢吾シニアストラテジストは予想する。

海外勢に見劣り

 もっとも海外企業と比べると、株主への還元姿勢が物足りないとの指摘もある。配当と自社株買いを含めた総還元性向は米主要企業で約8割、日本は4割程度だ。

 株価の上昇を受けて、配当を株価で割って求める配当利回りも日経平均採用銘柄で1.3%に低下。米ダウ工業株30種平均(2.3%)、独DAX指数(2.4%)、英FTSE100種総合株価指数(3.8%)などに比べ見劣りがする。

 債券の利回りが世界的に低下し、債券の代替投資として株式を買う外国人投資家が増えている。利回り面で日本株の優位性を保つには、株主への還元姿勢をさらに強める必要がありそうだ。



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