2015/04/20 本日の日本経済新聞より「中央アジア、中国に接近 原油安が直撃…静かにロシア離れ シルクロードのハブめざす」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「中央アジア、中国に接近 原油安が直撃…静かにロシア離れ シルクロードのハブめざす」です。

中国が中央アジアを飲み込もうとしています。中国が世界にとって重要な国になればなるほど、政治や経済の安定が内外から求められることとなり、これが結局、中国という国の国体を現状のまま維持させる大きな支えになるのではないでしょうか。





 中央アジア諸国が中国への接近姿勢を強めている。原油安やロシアの不況が直撃し、経済情勢が急速に悪化しているためだ。通貨切り下げに追い込まれ、低成長に直面する各国は中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に相次ぎ参加した。習近平国家主席が提唱するアジアと欧州の間にまたがるシルクロード経済圏のハブとしての地位確保を目指す。

 カザフスタンのマシモフ首相は3月末、北京を訪問、中国から230億ドル規模の経済協力を取り付けた。鉄道や高速道路インフラを整備し、製造業を誘致するという。2月には両国を結ぶ貨物鉄道の運行が始まった。カザフにとって中国はロシアを上回る最大の貿易相手に浮上している。

 カザフは2014年10月にいち早くAIIBへの参加を表明した。今年3月末にはキルギスとアゼルバイジャンも参加を決め、トルクメニスタンを除く地域のすべての国がAIIBの創設メンバーに入った。

 かつてソ連の構成地域だった中央アジアはロシアが勢力圏と位置づけ、囲い込みを図ってきた。カザフなどはロシアが主導するユーラシア経済連合にも参加しながら、中国へのシフトを静かに進める。ロシア経済の停滞に加え、同国のウクライナへの軍事介入に警戒を強めた面もある。

 ウズベキスタンはロシアへの天然ガス輸出を減らし、中国向けを増やす。タジキスタンは中国から60億ドルの投資を確保した。欧州と経済関係が深いアゼルバイジャンのアリエフ大統領も昨年、北京を訪問、シルクロード構想に支持を表明した。

 背景に各国の景気悪化がある。国際通貨基金(IMF)の4月の世界経済見通しによると、15年のカザフの成長率は前年の4%超から2%に低下、アゼルバイジャンは0.6%まで落ち込む。資源に乏しいキルギスとタジクは出稼ぎ労働者のロシアからの送金減が打撃となる。

 トルクメンとアゼルバイジャンはそれぞれ1月と2月に自国通貨の対ドル相場を19~34%切り下げた。カザフも昨年2月に続き再び通貨切り下げを余儀なくされると市場は見ており、今年はマイナス成長を予測する声が増えている。各国とも資源依存からの脱却を迫られ、中国のシルクロード構想を経済のてこ入れにつなげようともくろむ。

 中国は当初、中央アジア4カ国と中ロで構成する上海協力機構(SCO)の中で投資銀行の創設を提案したが、中国の影響力拡大を懸念するロシアが難色を示し、実現しなかった経緯がある。中国はAIIBという、より大きな枠組みで中央アジアを取り込んだ。

 ロシアもAIIBの創設メンバーに加わった。ウクライナ問題で欧米と対立するなか、自らも中国への依存を深めており「中央アジアを巡る情勢はロシアが中国のジュニア(格下)パートナーになりつつあることを示している」(欧州の外交官)。

(モスクワ=古川英治)

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