2015/04/21 本日の日本経済新聞より「小売り、「脱安売り」に軍配 高付加価値戦略が左右 客単価引き上げが奏功」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資情報面にある「小売り、「脱安売り」に軍配 高付加価値戦略が左右 客単価引き上げが奏功」です。





 消費増税や円安の逆風が吹くなか、客単価を引き上げた小売企業の業績が好調だ。脱デフレ期待の高まりを背景に、価格を低く抑えシェア拡大を狙う企業が苦戦する一方で、品質にこだわり高付加価値戦略を採る企業の業績好調が鮮明だ。

ABCマートは高価格のブーツなどの売れ行きも好調(東京都中央区)

 前期の客単価の伸びが目立つのがエービーシー・マートだ。増加率は5.8%となり、12期連続で最高益を更新する原動力となった。5年前は客単価が5%ほど下がる一方で客数が7%ほど増えるなど、価格を下げることで消費者を呼び込んでいた。ところが消費者のデフレ志向は一変した。

 「安さを強調する商品だけでは売り上げが伸びない」(野口実社長)との判断から、機能やファッション性を高めたスニーカーを拡販。前期は客単価が上昇したものの、客数はほぼ横ばいを確保できた。

 セブン&アイ・ホールディングスの村田紀敏社長は「商品の価値や質への評価が重要になっている」といい、必ずしも安い商品が売れる状況ではないと話す。業界内で勝ち組のビジネスモデルが変わってきている。

 3期連続で最高益を更新した良品計画は、雑貨店「無印良品」の客単価が3.6%増えた。増税前に家電など単価の高い商品が好調だったほか、カシミヤのセーターなど「高付加価値商品の販売に注力したことが奏功した」(金井政明社長)。

 カジュアル衣料品店「ユニクロ」を手掛けるファーストリテイリングの上期の客単価は約1割上昇、半期として最も高い伸びとなった。消費増税に対応し、昨年の秋冬商品で同社として初めてとなる値上げに踏み切った。値上げに伴い「エクストラウォーム(極暖)」など付加価値の高い商品に力を入れたことで顧客のつなぎ留めに成功。業績も最高益を更新した。

 高単価のプライベートブランド(PB=自主企画)商品の投入で出遅れたしまむらは客単価が1.9%増と伸び悩み、上場来初となる2期連続の減益となった。消費増税後の節約志向の高まりが逆風で、強みを持つ低価格帯の商品の売れ行きも鈍かった。

 ファミリーマートの客単価は0.5%下落した。たばこの販売減に伴い、買い上げ点数が減ったことが響いた。コンビニエンスストア業界内の競争激化で、既存店売上高で前年同月比プラスで維持できたのは高付加価値戦略が成果を上げたセブン―イレブン・ジャパンだけだった。

 主力小売業66社の営業利益を集計したところ、前期の増益企業は37社と全体の6割弱を占めた。消費増税の影響が一巡する今期は約9割の企業が営業増益を見込む。SMBC日興証券の並木祥行アナリストは「商品構成で差異化できる企業とそうでない企業とで明暗が分かれる構図は続くだろう」との見方を示す。



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