2015/04/24 本日の日本経済新聞より「株価2万円 さらなる上昇には 識者に聞く(下)」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資情報面にある「株価2万円 さらなる上昇には 識者に聞く(下)」です。





脱横並び、躍動感生む 古賀信行氏(野村ホールディングス会長)

 ――日経平均株価が2万円を回復しましたが、まだ最高値の半値です。

 「バブル経済期のようにPER(株価収益率)が国際水準からかけ離れた『狂乱相場』と比較すべきではない。当時は60~70倍と、10倍台半ばの米国の過去平均から大きく離れていた。企業の実力を測るには利益の規模をみた方がよく、すでに当時の何倍にもなった」

 「現在のPERは20倍に満たず、売買高に過熱感もない。堅調な足取りの中でたどり着いた2万円だ。ようやく正常な市場に復元したといえる。東証の時価総額がバブル期のピーク(610兆円)を超えたら、人々の心理の中でバブルを清算できるだろう」

 ――右肩上がりの株価になるでしょうか。

 「成熟経済ではすべての企業の状態が良く株価が上がることは望めない。強い企業はもっと成長を求め、弱い企業は早期に事業を見直す。機動的な動きが増えれば、市場はもっと生き生きと動くようになる」

 「成長性のある企業が配当ばかりすべきではない。一方、成熟企業がむやみに投資に傾いてもだめだ。横並びを脱し、置かれたステージに沿って経営判断しなければならない。企業統治改革の大事な点は、すべての企業に一律に投資を促すことではなく、じっとさせず、常に考えさせ続けることだろう」

 ――貯蓄から投資の流れは起きますか。

 「ブームに乗った投資では続かない。日本株を買うべきという『べき論』で動かされてはいけない。投資対象を海外にも広げながら、時間軸を決め運用し続けることが大事だ。公募投信の残高は100兆円に迫り、個人に運用が定着する基盤となる動きはある」

人口減少を防ぐ手立てを ポール・シェアード氏(S&Pチーフグローバルエコノミスト)

 ――株高は日本経済にどういった影響をもたらすでしょうか。

 「急速な株価上昇は、日本人の考え方を前向きなインフレ思考に変える『増幅装置』の役割を果たす可能性がある。株高は必ずしも経済実態や企業収益の改善を反映したものではないが、株高によって、後ろ向きなデフレ思考から脱却できれば、経済に好循環を生み出すことができる」

 「売り一辺倒だった国内投資家の動きも変わるかもしれない。すでに一部は現金から株式などリスク資産へマネーを移動させつつある。この流れが強まれば、海外投資家ではなく国内投資家が株価をけん引する、まったく新しい市場になるかもしれない」

 ――アベノミクスの効果は株価など資産価格の上昇にとどまり、広く行き渡っていないとの批判もあります。

 「アベノミクスを評価している。マクロ政策を使ってデフレを終わらせ2%のインフレを目指す一方で、潜在成長率を改善するため改革を行う。この2つの組み合わせは有効だ。金融政策の効果は出ている。増税などで財政政策が邪魔をしないことが重要だ

 「安倍首相は昨年の衆議院総選挙で再選され、新たに4年間の滑走路を得た。その間に『第3の矢』の改革を進めることになる。実質成長率を高めるには、出生率の上昇や移民政策といった人口の減少を防ぐ手段も検討する必要がある」

 「コーポレートガバナンス(企業統治)の改革は注目すべき前進だ。ただ、文化を変えることは言うより実行が難しい。形式よりも実質的な変化が大切だ」

(聞き手はニューヨーク=山下晃)



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