2015/04/24 本日の日本経済新聞より「株高 持続の条件 (下) 稼ぐ力、支える政策 株高持続の条件」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の1面にある「株高 持続の条件 (下) 稼ぐ力、支える政策 株高持続の条件」です。

日本経済が浮揚するために上げられる課題を非常に明快に記載している記事です。企業は人材と並んで日本経済の動力源、政府はその活性化につながる政策を矢継ぎ早に放ち、グローバル経済のスピードに追い付かなければならないと思います。





 安倍晋三政権は「そこまでやるか政権」――。甘利明経済財政担当相は19日のNHK番組でこんな表現をした。2日の政労使会議で、中小企業の賃上げを求めたことを指しての発言だ。労使交渉への事実上の介入という先進国として異例の対応を繰り返すのは「自然循環にいくまで人為的に好循環をつくる」(甘利氏)ためだという。

 「2017年4月に消費税率を10%に上げるまであと2回、賃上げ要請を続けるのでは」。民間エコノミストからこんな観測も流れる。

■国富400兆円消失

 安倍政権の誕生から2年あまり。異次元の金融緩和で物価上昇率への期待を高め、財政出動で景気を下支えした。成長戦略で岩盤規制の一部に風穴も開けた。そして賃上げでデフレ脱却へ最後の一押しを政権は狙う。

 企業が賃上げで家計に資金を還元すれば消費拡大→収益拡大→賃上げ→さらなる消費と収益拡大、という好循環が実現しやすくなる。

 バブル崩壊からほぼ四半世紀がたった。この間に国全体の正味資産である「国富」は400兆円あまり消失した。債務・雇用・設備という「3つの過剰」を抱えた企業は必死にバランスシートを圧縮。1990年代の金融危機を経て、株価と地価の資産デフレが実体経済に深い傷を残した。

 消費増税の下押しを乗り越え日経平均株価が2万円に乗せた今、改めて問われるのは「失われた四半世紀」から日本経済が決別できるかどうか。デフレ脱却と、国富を再び大きくしていく挑戦の主役はやはり企業だ。

 焦点の一つは省力化、合理化などを目的とした設備投資だ。「企業がもうちょっと前向きになれるかがポイント」とみずほ総合研究所の高田創チーフエコノミストは心理の変化に期待する。

 もうひとつは、グローバル化への対応だ。15年前の日本の国内総生産(GDP)が世界全体に占める割合は14%だったが、足元で6%程度にとどまる。外需を取り込むことなく、日本企業は収益力を高められない。

 製造業の生産拠点の国内回帰が相次ぐとはいえ、海外生産比率の基調は上昇を続ける見通しだ。「国内事業を維持しつつ海外事業を拡大させ、そのすみ分けを図ることで高い収益性を獲得している」。日銀は日本のグローバル企業の新しい姿をこう分析する。

■内需も外需も

 「内需か外需か」の二分法ではなく「内需も外需も」追う必要がある。株価を過度な金融緩和や予算のばらまきで押し上げるのではなく、自然に押し上がっていくために政府がやるべきことはたくさん残っている。

 伸びゆくアジアの成長力を取り込むには、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の早期妥結が欠かせない。さらなる法人減税で、外国企業の対日投資を呼び込む余地はまだまだ大きい。

 人口減や少子高齢化という逆風をはねのけるには生産性を高める規制改革や、社会保障制度を持続可能にする改革も待ったなしだ。企業の稼ぐ力をきめ細かな政策で支える責務が政府にはある。(編集委員 瀬能繁)

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