2015/04/26 本日の日本経済新聞より「けいざい解読 迫る米利上げ、新興国に試練 投資マネー選別強まる」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合・経済面にある「迫る米利上げ、新興国に試練 投資マネー選別強まる」です。

市場で米国の利上げが6月ないしは9月に予想されています。昨年、緩和終了観測が表面化した際に、マーケットがかなり揺らぎました。この度、利上げ発表された場合に市場がどのような反応を示すか、注目されています。

このような状況の中、インドの通貨ルピーとブラジルの通貨レアルが対照的な動きをしている点についてこの記事では触れられています。レアルは、利上げ発表時にかなりの衝撃が生じる恐れがあり、ブラジル発の経済危機が生じてもおかしくないように思われます。2014年1月にアルゼンチンペソが暴落しましたが、それを上回る衝撃が走る可能性があり、留意が必要と考えられます。





 米連邦準備理事会(FRB)が2015年中に金融引き締めに転じる方向を示し、新興国経済が試練を迎えている。米利上げをきっかけに投資家が新興国から資金を引きあげたり、選別を強める恐れがあるためだ。有力新興国それぞれの耐久力が改めて試される。

 「フラジャイル・ファイブ(脆弱な5人組)」。米投資銀行モルガン・スタンレーのリポートにこんな表現が登場したのは13年夏のことだった。

 当時の焦点は巨額のマネーを市場に流してきたFRBの量的緩和第3弾(QE3)の縮小開始だ。経常赤字などファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に弱点を抱え、QE縮小で通貨が売り圧力にさらされるインド、ブラジル、インドネシア、南アフリカ、トルコの5カ国を列挙した。

 01年にゴールドマン・サックスが命名した「BRICS」以来の、新興市場国を取り巻く環境を端的に示すキーワードとして定着した。しかし当のモルガンはこの呼び名をすでに封印している。5カ国をまとめてくくれなくなってきたからだ。

 今月16日、ワシントン。「FRBもいつまでも利上げを先送りすることはできないだろう」。インド準備銀行(中央銀行)のラジャン総裁はシンポジウムでこう発言した。同総裁は他国への影響を考慮しない「自分勝手な」FRBの金融政策を批判し、けん制してきたがトーンを変えた。

 13年夏の急落がうそのようにインド・ルピーの安定ぶりが目立っている。資源安で経常収支の改善が進む追い風に加えて昨年就任したモディ首相による改革路線への海外投資家の期待感が強い。一級の経済学者として評価が高いラジャン総裁との「二人三脚」が安心感を与えている。

 対照的なのがブラジルとトルコの変調だ。ブラジルではばらまき政策で海外投資家に不評だったルセフ大統領が昨年、僅差で再選した。資金の逃避はおさまらず通貨レアルは下落。輸入物価の上昇がインフレを引き起こし中銀は不況下で利上げを迫られている。国際通貨基金(IMF)によるとブラジルの国内総生産(GDP)は今年インドに抜かれる。

 トルコをめぐる市場の警戒感はエルドアン大統領と中銀の緊張関係にある。通貨リラが下落基調にもかかわらず「絶対的な権力者」である大統領が景気てこ入れへ利下げ圧力をかけているとされ、バシュチュ中銀総裁の退任観測がくすぶる。

 モルガンは市場の混乱に耐えられる改革の進捗度について、インドネシアのジョコ政権に65%とインド(85%)につぐ及第点を与える一方、資源依存の経済構造が変わらない南アフリカには「ほぼゼロ%」と手厳しい。

 FRBは1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明から「国際情勢の進展」という文言を新たに盛り込んだ。金融政策を動かすに際して新興国を含む国際金融市場の動きを注視する方針をあえて強調した。11年ぶりとなる利上げ開始のXデーに向けて緊張感が高まる裏返しだ。

(ニューヨーク=佐藤大和)

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