2015/04/28 本日の日本経済新聞より「経営書を読む 「ファスト&スロー」(3) 変われない理由 プラスよりマイナスを意識」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「「ファスト&スロー」(3) 変われない理由 プラスよりマイナスを意識」です。





 第1回は「正しいことを言っても分かってもらえない」という組織人なら必ず経験する悩みから始めました。今回はこの問題に正面から取り組んでみたいと思います。

 カーネマン教授のノーベル経済学賞受賞の原動力は、同僚の故テフレスキー教授と提唱した「プロスペクト理論」です。同理論で特に重要なのは(1)人間の損得に対する反応は対称ではない(2)そもそも損得を決める基準(reference point)がカギ、の2点です。

 「良い意思決定」をすることは重要ですが、「良い」「悪い」の「基準」に関して深く考える機会がないのではないでしょうか?実はこの「基準=reference point」がくせ者なのです。

 システム1のおかげで、私たちは「無意識」にこの「基準」を設定しています。その「無意識の基準」で最も多いのが「すぐ目に見える現状」、つまりデフォルトです。一度決めたことは変えたくないというのがその代表例です。現状維持は低リスクで、何だかんだ言って楽なのです。

 損得の非対称性ということで、コイン投げを考えてみましょう。「裏が出たら100ドル支払う、表が出たら150ドルもらえます。やりますか?」というものです。筆者のクラスでも時々聞くのですが、やるという人は多くて1割程度です。

 カーネマン教授は多くのテストを通じてこの「損失は利得より強く感じられる」ことを立証したのです。このギャンブルの期待値はプラスなので、「合理的」に考えればやる価値はありますが、多くの人は損の2倍の得が見込めない限りギャンブルに乗りません。

 そう考えると、じり貧の企業で改革ができないのも納得がいきます。現状ではダメだと分かっているが、今は大丈夫だし給料も出ている。もし、新戦略を打ち出して、大失敗したらどうするの……と、偉い人達は思うわけです。デフォルトの魔力を解かない限り、新たな一歩は望めません。

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