2017年相場を読む(上) 株、2万2000円も 2017/1/5 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合面にある「2017年相場を読む(上) 株、2万2000円も」です。





 2017年の金融市場はどう動くのか。株式、為替、商品の各市場の展望を専門家に聞いた。1回目は株式。日経平均株価は年内に2万1000~2万2000円を目指すとの声があった。

■小売り・機械に投資妙味 ブラックロック・ジャパンCIO 福島毅氏

福島毅氏

 ――17年の日本株をどう見ていますか。

 「基本的には堅調な値動きになる。世界景気が回復局面に入り、輸出企業の比率が大きい日本株は恩恵を受けやすい。為替相場の円安進行で企業収益も上方修正期待が高まっている。日経平均は2万1000円が目先の目標になるだろう」

 「ただ、米大統領選以降の米金利上昇によるドル高・円安はやや行き過ぎ感があり、短期的に調整する可能性がある。トランプ氏の経済政策の影響が数字で見えてくる4月あたりも要注意だ」

 ――有望な業種は。

 「内需株、特に景気変動に影響を受けやすい業種に投資妙味がある。日本はディスインフレから脱却している最中だからだ。小売りや訪日外国人関連や機械、不動産などが挙げられる。一方で米大統領選前まで割安だった外需株の水準訂正は8合目まできている」

 ――日本企業や政府に何を求めますか。

 「企業は積み上がった内部留保を適切に使うべきだ。株主還元や成長投資はもちろんで、賃上げも経済全体に非常にプラスだ。個人消費の拡大は名目成長率の上昇につながるからだ。19年10月に予定通り消費増税を実施するためにも重要だ」

 「政府は強固な政治基盤があるうちに構造改革に取り組むべきだ。まずは20年度に基礎的財政収支を黒字化する目標について明確な工程表を示すことだ。また、社会保障費の増加にどう対処していくのか示してほしい」

 ――不安材料は。

 「中国の不良債権だ。過去にマーケットが大きく落ち込んだリーマン・ショックとギリシャ危機は、いずれも不良債権が原因だった。今のところマーケットはやや楽観的に構えているが、本格的に不良債権処理が始まれば中国の経済成長は鈍化してしまう。労働人口が伸びないなかで経済成長率を6%台に保つには生産性をかなり高めなければならないが、国有企業の多い中国では構造的に難しい面がある」

■「貯蓄から投資」がカギに 野村証券グローバル・マーケッツ担当執行役員 明渡則和氏

明渡則和氏

 ――大発会で日経平均が大幅高となりました。

 「海外の経済指標が好感された。昨年末に膨らんだ売りの反動とヘッジファンドなどが日本株を買った側面もあるだろう。米大統領選後の上昇相場に乗り切れず『下がれば買い』といった姿勢の投資家は多い。相場に過熱感はほとんどない」

 「年内の日経平均は1万7000~2万2000円の範囲での推移がメインのシナリオだが、1ドル=120円を超える円安になり個人投資家の資金が入ってくれば2万4000円程度が視野に入る。物価が上昇し個人の預貯金がリスク資産である株式に向かうかがカギを握る」

 ――投資家はどう動くでしょうか。

 「海外投資家は買い越し基調が続くだろう。日本株は海外株と比べて割安で安定した政治も評価されている。アベノミクス初期ほどの勢いはないが、日銀が年間で6兆円分の上場投資信託(ETF)を買い、事業法人の自社株買いも5兆円程度になる。相場の下落時には個人の押し目買いも期待できる」

 ――日本企業の業績はどう見ますか。

 「主要企業の2017年3月期の予想1株当たり純利益(EPS)の増加率は15%、来期は6~7%を見込む。世界経済の改善と円安のメリットを受けやすい鉄鋼や非鉄、ソフトウエアなどがけん引するだろう。円安が一段と進み株高による資産効果が個人消費を押し上げれば、さらに上に行く可能性もある」

 ――企業に対する注文はありますか。

 「資本効率が海外と比べて低い。日本は中間管理職の生産性が低いといわれる。ICT(情報通信技術)などの活用を進め生産性を高めてほしい。イノベーションも重要だ。米国では有力なネット関連の企業群が新しい市場を切り開いている。日本も新たなビジネスを創出し、経営に外部の視点を取り入れる文化を広げる必要がある」

(聞き手は宮川克也)



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