訪日客のコト消費つかめ 旅行大手、そば打ち・陶芸などPR 201 7/1/25 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の企業面にある「訪日客のコト消費つかめ 旅行大手、そば打ち・陶芸などPR」です。





 カヌーやそば打ち、陶芸など体験型レジャーの予約サイトが訪日客の取り込みを急ぐ。JTBやエイチ・アイ・エス(HIS)、楽天などが出資するサイトが、海外への販路拡大や多言語対応、メニュー拡充を進める。個人で地方を巡るリピーターが増え、体験重視の「コト消費」にシフトしていることに対応する。

 JTBが出資する体験型予約サイト運営のアソビュー(東京・渋谷)は、台湾の旅行大手、雄獅旅行社(ライオントラベル)と月内に業務提携する。ライオントラベルのサイトと店舗でアソビューの体験プログラムを紹介する。予約とクレジットカードによる事前決済ができる。

 日本語版は1万5千件以上取り扱うが、台湾を含む中華圏向けはまず和服の着付けと街歩き(約5千円~1万円)や陶芸(約2千~3千円)など40種類ほど用意する。

 HISは子会社のアクティビティジャパン(東京・新宿)のサイトで従来の英語版に加えて、中国語版とタイ語版を月内に立ち上げる。商品はHISの世界の営業拠点も通じて現地向けに売り込んでいく。トップページも、スノーシューツアーなど季節ならではの体験を並べる形に一新した。

 そとあそび(東京・品川)も英語のほか、中国語と韓国語に対応した試験サイトを春ごろまでに立ち上げる。

 楽天子会社のボヤジン(東京・渋谷)のサイトでは、企業の社員旅行などを対象に、専門スタッフがプログラムを提案するサービスを始めた。相撲の朝稽古見学や満員電車体験、芸者との食事などを組み合わせる。共同作業を通じてメンバー間で役割分担や協力関係を学ぶチームビルディングに役立ててもらう。

 体験型レジャーは観光地の周遊ツアーと異なり1回の参加人数が少なく、荒天による中止もあるため運営に手間がかかる。予約サイト各社はメニュー開発を手助けし普及につなげる。



イッツコム、民泊IoT管理を全国で 2月から 2017/1/25 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の企業面にある「イッツコム、民泊IoT管理を全国で 2月から」です。





 東京急行電鉄のケーブルテレビ(CATV)子会社イッツ・コミュニケーションズ(イッツコム)は、2月から空き部屋などに旅行者を有料で泊める民泊の支援サービスを全国展開する。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」技術を活用し、旅行者のスマートフォンで部屋のカギの開閉などができる。2018年春までに東京都や京都府にも広げ、2千戸に導入をめざす。

 提供するのは宿泊者がスマホ画面上のボタンを押すと、部屋のカギを開け閉めできる仕組み。宿泊の予約客にカギの開閉に使う画面にアクセスするためのメールを送って使ってもらう。画面は宿泊中のみ有効。客にカギを受け渡しする手間を省くことができる。

 カメラで宿泊客の入退出を確認する仕組みも併せて提供する。民泊事業者の費用は1戸あたり月額最大4千円。

 同サービスは、沖縄県内で、同業の沖縄ケーブルネットワーク(那覇市)と手を組み、民泊事業者に提供。昨年8~10月に旅館業法上の営業許可を得ているマンション12戸で実証実験に取り組んでいた。

 18年春までに沖縄県内では1千戸に増やす。東京都と京都府でも2月にまず計6戸に導入し、18年春までに計1千戸に増やす。全国で計2千戸に広げる計画だ。政府が進める民泊解禁に向け営業地域を広げ、拡大する需要を取り込む。



メキシコ、対米「強気」前面 低支持率の回復狙う 2017/1/25 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「メキシコ、対米「強気」前面 低支持率の回復狙う 」です。





 【メキシコシティ=丸山修一】メキシコ政府が今週始まるトランプ米政権との交渉で譲歩しない姿勢を鮮明にしている。メキシコの協力が不可欠な移民や安全保障と、通商問題を一括協議する方針を打ち出し、米国の要求する形での北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しをけん制。米国以外との経済関係の強化もはかる。米国に強硬な姿勢を示し、低迷する支持率の回復も図りたい考えだ。

 「米国に服従も対立もしない。あるのは対話と交渉だ」――。ペニャニエト大統領は23日、大統領官邸で残り約2年となった任期における外交方針を明らかにした。念頭にあるのはもちろん就任したばかりのトランプ米大統領だ。25~26日にはビデガライ外相とグアハルド経済相をワシントンに派遣。31日には自らも訪米し、トランプ氏との直接交渉に臨む。

 米政府にとって最優先事項はトランプ氏が選挙期間中から訴えてきたNAFTAの見直しを含む通商問題だが、移民や安全保障も重要だ。メキシコ国境からの不法資金や武器、麻薬、さらにはテロリストの米国への流入防止にはメキシコ側の協力が欠かせない。メキシコはこれらで協力関係を訴え、米新政権との交渉で主導権を握るチャンスを探る。

 経済面では米国への過度な依存からの脱却を模索する。具体的に取り組むのが、米国が脱退を表明した環太平洋経済連携協定(TPP)の参加表明国との2国間協議だ。メキシコはすでに46カ国と自由貿易協定を結んでいる。この中にはベトナムやマレーシアといった成長が期待できる参加表明国は含まれておらず、こうした国々との交渉を急ぐとみられる。隣接する中南米や米国に匹敵する市場規模を持つ欧州との貿易拡大も急ぐ。

 米国側の強硬な姿勢にも断固とした態度をとる構えだ。ロイター通信によると、グアハルド経済相は24日に地元テレビで「もし明確な利点がないのなら、(NAFTAに)とどまる意味はない」と発言。交渉次第ではNAFTAから脱退する可能性があるとした。

 メキシコは米国にとっても自動車大手がそろって工場を構えるなど重要な生産基地でもある。仮にメキシコが本格的に米国離れを進めたり、報復措置をとったりするようなことになれば、米企業にとっても競争力減退につながる恐れがでてくる。

 ペニャニエト氏の支持率は1月の地元紙の調査でわずか12%。トランプ氏に一方的にやり込められているとの印象が支持率低迷の一因になっている。今週から本格的に始まる対米交渉を前に、強い姿勢を示すのは、国民の視線を意識しているためだ。その成否がこれから問われる。



貸家着工、8年ぶり高水準 地方で伸び16年40万戸超 目立つ節税目的空室増、バブル懸念も 2017/1/25 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済面にある「貸家着工、8年ぶり高水準 地方で伸び16年40万戸超 目立つ節税目的空室増、バブル懸念も」です。





 2016年の貸家着工が8年ぶりに40万戸を超える見通しになった。相続税の節税を目的にしたアパート建設が全国的に広がっているためだ。長野、鳥取、島根など7県の前年と比べた伸び率は30%を超えた。日本の世帯数は近い将来に減少に転じるとみられ、実需を伴わない「バブル」が発生しつつあると懸念する声も出始めている。

 国土交通省が月内に発表する16年の新設住宅着工戸数は、2年連続のプラスとなるのが確実だ。貸家が前年比1割増の42万戸前後となる見込みで、全体の伸びをけん引した。40万戸台は08年以来の高い水準となる。持ち家や分譲住宅は20万~30万戸台で、貸家が新設住宅に占める割合は4割を超える。

 背景には15年から始まった相続税の課税強化がある。貸家を建てると土地の評価額が下がり、相続税が減らせるため節税目的の建設が相次いだ。

 企業向けの融資が低迷するメガバンクをはじめ、地銀や信用金庫が競うように低金利のアパートローンに力を入れていることも建設を後押ししている。日銀によると、大家に対する新規貸し出しは16年1~9月に約3兆5千億円と前年同期比17%増えた。

 貸家ブームは地方にも広がっている。16年1~11月の地方圏の伸び率は11.7%と三大都市圏を上回った。28都道府県が2ケタの上昇率を記録し、島根、長野、富山、徳島、福島、鳥取、青森の7県は3割を超えた。

 貸家の急増に伴い、ひずみも生じている。

首都圏のアパートの空室率は15年夏ごろから急上昇

 不動産調査会社のタス(東京・中央)によると、首都圏のアパートの空室率は15年夏ころから急上昇している。神奈川県や千葉県、東京23区では35%前後に達する。業者が一定の家賃収入を保証するサブリース(転貸)方式を巡ってはトラブルもあり、国交省は契約時の説明を徹底させる対策を取った。

 日銀は1月の地域経済報告(さくらリポート)で、相続税節税や資産運用ニーズ、業者の積極的な営業スタンスなどが背景にあるという企業への聞き取り調査を公表した。「魅力の乏しい物件を中心に空室率の上昇や家賃の下落がみられる」との声を紹介し、供給過剰感の高まりで「先行きを慎重にみる向きが徐々に増えつつあるようにうかがわれる」とした。

 ニッセイ基礎研究所の岡圭佑氏は「実需を伴わない貸家建設がいつまでも続くとは考えづらい。すでにピークを付けた可能性がある」と指摘する。日本の世帯数が減少し始めると、すでに430万戸ある貸家の空き家がいっそう増える可能性もある。



日本批判、フォードの影 非関税障壁、トランプ氏が標的に 北米市場競争に思惑 2017/1/25 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「日本批判、フォードの影 非関税障壁、トランプ氏が標的に 北米市場競争に思惑」です。





 【ニューヨーク=中西豊紀】トランプ米大統領は23日、自動車貿易を巡り、日本を名指しして「不公平だ」と批判した。米国での現地生産が進む現状を無視し、1980年代に逆戻りしたような批判の背景に、トランプ政権に急接近する米フォード・モーターなど米自動車業界の影がちらつく。アジアでは日本ではなく中国が重要な自動車市場となるなか、米側の狙いはどこにあるのか。

 「非常に前向きな会談だった」。トランプ大統領との朝食会に参加したフォードのマーク・フィールズ最高経営責任者(CEO)は23日、記者団にこう述べた。会合には鉄鋼大手のUSスチールやガラス大手のコーニングなど自動車関連産業の企業トップが出席した。

 日本メーカーが小型車の輸出攻勢をかけた80年代と異なり、いまは日系も米国生産が進む。米国で売る車のうち、北米での現地生産の割合はトヨタ自動車が7割、日産自動車は8割、ホンダは9割とされ、米国勢と遜色ない。ところがトランプ氏は23日の会合で「(日本は)日本市場で米国車を売れないようにしている」と断定した。

 トランプ氏の論法は、米自動車メーカーが日本企業や政府を批判してきた理屈と奇妙に似通う。

 日本は自動車の輸入関税がゼロなのに、米国は日本からの輸入乗用車に2.5%を課している。関税では日本市場の方が開放的だが、フォードやゼネラル・モーターズ(GM)など米自動車大手は、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉時にも、執拗に「日本たたき」を繰り返してきた。

 輸入時の認証や安全、騒音、環境を巡る規制など、日本の「非関税障壁」が高いというのが「日本たたき」の論拠だ。実際には、TPPで関税を下げれば「米市場でライバルの日本勢を利するだけ」との危機感がある。

 こうした対日批判の最右翼は、2016年に日本市場から撤退したフォードだ。フォードは、トランプ氏から生産拠点の外国移転を非難されると、18年に稼働予定だったメキシコ工場の建設をあっさりと断念した。

 フィールズCEOはかつてフォードと提携関係にあったマツダの社長を務め、日本市場の実態に精通する。「日本たたき」に動くトランプ氏との関係でカギを握るのは、創業家出身のビル・フォード会長だといえる。

 フォード会長は昨夏、ニューヨークのトランプ・タワーで選挙戦中のトランプ氏と会い、その後も何度も電話で話した。両者に共通するのは「反TPP」の立場だ。メキシコ投資を巡り話し合ううちに急接近した。

 TPP離脱を宣言し、日本との2国間の貿易交渉をめざすトランプ氏にとって、自動車は日本に圧力をかける象徴的なカードとなる。日系メーカーが米国投資を増やせばそのまま手柄となる。

 一方のフォード。すでにアジアの最重要市場が中国に移り、縮小傾向の日本市場に狙いがあるとは考えにくい。フォード会長はトランプ政権と協議するテーマに「税制、貿易、そして為替」と語ったことがある。政権の力を借り、環境規制などとともに円安・ドル高を日本の「非関税障壁」だと攻撃し、成長鈍化が懸念される米市場でライバルの日本勢をたたく。そんな観測も成り立つ。

 富士重工業は北米で多目的スポーツ車(SUV)「フォレスター」や「アウトバック」の販売が伸び、16年の世界販売に占める北米市場の構成比は7割を占める。このうち、約6割は日本で組み立てて輸出している。

 マツダは北米でSUV「CX―5」など年間約45万台を販売。米国に生産拠点を持たず、北米向けは日本とメキシコで生産している。自動車摩擦が再燃すれば、日本勢の打撃は避けられない。



トランプの米国 身構える世界(5) 「安倍1強」生まれ た死角 編集委員 大石格 2017/1/25 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の第一面にある「トランプの米国 身構える世界(5) 「安倍1強」生まれた死角 編集委員 大石格」です。





 「ブッシュホン」をご記憶だろうか。自民党内の基盤が弱かった海部俊樹首相が、当時の米大統領との距離の近さを売り物にして政権運営していたさまを、ふたりの頻繁な電話に引っかけて本紙が生み出した造語だ。1990年の新語・流行語大賞で銀賞に輝いた。

 対米追従と皮肉られることもあるが、日米の首脳が親密であるほど安心感を覚える日本人が多いのは間違いない。

 93年に来日したクリントン大統領はレセプションに改革派を標榜していた野党党首を招いた。直後の衆院選で自民党は大敗し、結党38年目にして下野を余儀なくされた。

 その選挙で初当選したのが安倍晋三首相だ。昨年11月、就任前のトランプ大統領に会いに急きょニューヨークに飛んだ。「実があるなら今月今宵(こよい) 一夜明ければ誰もくる」と詠んだ長州の先人、高杉晋作が念頭にあったろうか。

 残念ながら首相のそうした“誠意”は型破り大統領にあまり通じていないようだ。首相周辺は外務省に「主要国で最も早い首脳会談を設定せよ」とねじを巻いたが、狙っていた27日の会談は実現しなかった。就任後の電話もイスラエルなどに先を越された。

 「トランプ大統領が信頼できる指導者だ、との考えは変わらない」。首相は国会で力説した。トランプ氏が環太平洋経済連携協定(TPP)離脱の大統領令に署名したのはその半日後。政府はTPPによって国内総生産(GDP)が3.2兆円押し上げられるとしてきた。その消滅はアベノミクスには打撃である。

 昨年の参院選で与党が振るわなかった東北地方選出のある自民党議員は「日米自由貿易協定(FTA)交渉をすることになれば、選挙への影響はTPPの比ではない」と心配する。損得勘定が見えにくい多国間交渉と異なり、農業分野で押し込まれるとみるからだ。

 さりとて、自由貿易の旗手を自任してきた首相が、「2国間交渉はしない」とはいえまい。日本は安全保障を米軍に依存している負い目もある。

 次期駐日大使に就くウィリアム・ハガーティー氏はもともとはライバル候補を支持していた。交渉能力の高さを評価されてトランプ陣営に加わったのは昨年夏だ。

 駐日大使にはいろいろなタイプがあるが、テクノクラート型の場合、成果をあげようとしゃかりきになりがちだ。「ミスター・ガイアツ」と呼ばれたマイケル・アマコスト氏がそうだった。

 市場重視型個別協議(MOSS)、構造協議(SII)、枠組み協議……。80~90年代、日米は激しい貿易摩擦を経験した。あの重苦しい日々が戻ってくるのだろうか。

 いま与党にも野党にも首相を脅かす政治勢力は見当たらない。そこに外からもたらされた想定外の死角。安倍政権の進む先に激動が待っている。(おわり)



南シナ海巡り対中強硬鮮明 米国務長官、上院指名へ 2017/1/24 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「南シナ海巡り対中強硬鮮明 米国務長官、上院指名へ」です。





 【ワシントン=鳳山太成】トランプ米新政権が南シナ海問題で中国への強硬姿勢を鮮明にしている。次期国務長官として米上院で承認される見通しの米石油メジャー最大手エクソンモービルの前最高経営責任者(CEO)ティラーソン氏はトランプ氏と同様、中国に厳しい姿勢で知られる。スパイサー米大統領報道官も23日、「南シナ海は公海」と強調。中国政府はこうした発言に反発を強めている。

 スパイサー米大統領報道官は23日の記者会見で「南シナ海は公海であり、米国は国益を守り抜く」と強調し、「中国の南シナ海進出を阻止すべきだ」とのティラーソン氏の主張にトランプ氏も同意していると説明した。国際法を無視して南シナ海で管轄権を主張し、軍事拠点づくりを急ぐ中国を両者は問題視する。

 オバマ前政権も中国が造成した人工島の12カイリ以内の海域に米軍の軍艦を送って「南シナ海は公海」と訴えてきた。抑止効果は薄く、中国は滑走路の建設など軍事拠点づくりを着々と進めたため、共和党などから弱腰と批判された。トランプ政権がより積極的な行動を取る可能性がある。

 ティラーソン氏は中国が領有権を主張する沖縄県・尖閣諸島が軍事力で奪われようとした場合は日米安全保障条約の適用範囲で、対日防衛の義務があると明言している。トランプ氏は中国大陸と台湾が一つの国に属するという「一つの中国」の原則に縛られずに貿易赤字の削減に向けた交渉に入ると主張する。「南シナ海」から「尖閣」「一つの中国」まで中国が譲れないカードを米国の大統領と国務長官がそろって持ち出せば、米中関係の摩擦が激しくなるのは避けられない。

 一方、対ロシアでトランプ政権は当面は関係の再構築を模索することになりそうだ。対ロ融和に関してトランプ氏とティラーソン氏に温度差があるからだ。

 ティラーソン氏はプーチン大統領と親しいなどロシアとの関係が深いが、米上院外交委員会の公聴会では「対ロ制裁は効果がある」と述べるなどロシアに厳しい発言を繰り返した。警戒する共和党タカ派から承認を得る狙いもあるとはいえ、トランプ氏ほどロシア寄りの姿勢を示していない。

 ティラーソン氏が対ロ融和に踏み切れない背景と言える動きもある。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、オバマ前政権が対ロ制裁を決めた昨年12月29日、トランプ氏の側近で、現在は国家安全保障問題担当の大統領補佐官を務めるフリン氏がロシアの駐米大使と電話したことの違法性を巡って米情報機関が調査した。

 米上院外交委員会は23日、ティラーソン氏を僅差で承認した。来週にも開かれる上院本会議でも承認される見通しでトランプ外交の顔となる国務長官に正式に就任する。



経営書を読む 「ハード・シングス」(4)企業の目的良い会社で あること 2017/1/24 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「経営書を読む 「ハード・シングス」(4)企業の目的良い会社であること」です。





 経営において従業員を大事にすること、働きやすい職場をつくることが何よりも重要だとホロウィッツは説きます。「人、製品、利益を大切にする――この順番で」と彼は言います。米国の有力ベンチャーキャピタリストといえば、株主至上主義的な教義を持っていると想像しがちですが、ホロウィッツの見方は全く異なります。

 ホロウィッツは良い会社であること、それ自体が企業の目的であり、そうすることが企業の持続的成長を支えると考えます。投資家の興味は製品がどれくらい売れるかにあります。しかし、利益を企業のゴールと考えるのは、「生きることのゴールは呼吸をすることだ」と言うようなものだと彼は言います。

 事業がうまく運んでいる間は、良い会社かどうかは社員にとってさして重要ではありません。会社が大きく成長しているときに社員が会社に居続ける理由は無数にあります。しかし、何らかの理由で事業の歯車が狂ったときに優秀な社員を会社にとどまらせる唯一の理由は、その仕事が好きということなのです。

 良い会社では人々が自分の仕事に集中し、その仕事をやり遂げれば会社にも自分にも良いことが起こると確信している。このような組織で働けることが真の喜びとなります。誰もが自分のすることは効率的で効果的で、組織にも自分にも何か変化をもたらすとわかっている。それが彼らの仕事への意欲を高め、満足感を与えるのです。

 一方で不健全な会社では、皆が多くの時間を組織の壁や内紛や崩壊したプロセスとの戦いに費やしています。自分の仕事が何なのかさえ明確ではなく、自分が役割を果たしているかどうかを知る由もありません。

 毎日、起きている時間の大半をここで過ごす人たちが良い人生を送ることは、自分にとって大切であり、そのことが自分が会社に来る唯一の理由であると、ホロウィッツは言うのです。

=この項おわり



投資回復を呼ぶ原油高 欧州総局 黄田 和宏 2017/1/ 24 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資情報面にある「投資回復を呼ぶ原油高 欧州総局 黄田 和宏」です。





 デフレからリフレへと世界経済の潮流が変化するなか、2017年を占う上で投資家が注目し始めているのが「資本的支出」の行方だ。世界の設備投資は2年以上にわたり低迷してきたが、原油相場の持ち直しを背景にエネルギー関連などが呼び水となり、新規投資に資金が向かう兆しが出ている。世界的に政治リスクが高まるなかでも、企業経営者は経済の回復に信頼感を強めている。

□  ■  □

 「世界の資本的支出は14年10~12月期以降で初めて拡大に向かう」。オランダ運用大手NNインベストメント・パートナーズの戦略担当、パトリック・ムーネン氏は、今年が世界経済の大きな転換点になると予想する。これまで企業は新規雇用や設備拡張に慎重で、M&A(合併・買収)や自社株買いを優先してきた。世界金融危機以降では最も長い投資の落ち込みを経験してきたが、ようやく光明が差しつつある。

 最大の要因は原油相場の回復だ。世界の資本的支出の約2割を占めるとされるエネルギー関連の投資はこの2年間で4割減った。米調査会社バーンスタインによると、17年は同産業の開発投資が前年比9%増に転じる見通し。原油高が続くことを前提に、20年にはピークだった14年の9割強の水準に回復するとみる。

 英大手運用会社スタンダード・ライフ・インベストメンツのグローバル戦略責任者、アンドリュー・ミリガン氏は「エネルギー産業の投資回復は他のセクターにも波及効果が大きい」と話す。足元では鉱工業生産が世界的に回復に向かい、過剰在庫に一巡感が出始めている。今後の需要増に向けた投資の好循環が起こる可能性が出ている。

 見逃せないのが資金調達にも勢いが出てきたことだ。欧州の社債市場では年初から早いペースで発行が相次ぎ、仏ソシエテ・ジェネラルによれば、ユーロ建て市場では1月の発行額が600億ユーロ(7兆3500億円)を超える見通し。投資適格社債は09年に次ぐ過去2番目の高水準に達するとみられている。

 多国籍企業が抱える巨額の現金の行方も注目だ。米トランプ政権の政策によるが、米国が法人税を大きく引き下げる可能性があり、企業のキャッシュフローが改善することで余剰資金が新規投資に向かう可能性があるためだ。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスによると、16年12月末時点で米国企業は1兆7700億ドル、欧州企業は9210億ユーロ(同6月末時点)と、過去最高水準の余剰資金を持つ。

□  ■  □

 NNのムーネン氏は「今後1年間の企業収益の増加率は世界全体で1割近くに達する見通しで、新規投資に必要な経営者の信頼感が高まっている」と説明する。世界経済は政治面で保護主義的な逆風を受ける一方、循環的な拡大局面に入る手前にあり、両者がせめぎ合っている。企業には、政治リスクに立ち向かい、必要な投資に踏み切れるかどうかが問われている。



トランプ外交、親イスラエルが火種 エルサレムに大使館移転検討 中東諸国の反発必至 2017/1/24 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「トランプ外交、親イスラエルが火種 エルサレムに大使館移転検討 中東諸国の反発必至」です。





 【ワシントン=吉野直也、リヤド=岐部秀光】トランプ米政権はイスラエルが「首都」とするエルサレムに米国大使館を移転する検討に入った。トランプ氏は選挙戦の最中から大使館移転を表明してきたが、国際社会はエルサレムをイスラエルの首都と認めていない。実施に踏み切ればアラブ民衆の激しい反発が起こり、中東情勢は制御不能の混乱に陥りかねない。

 トランプ氏は22日、イスラエルのネタニヤフ首相との電話協議で2月上旬のワシントン訪問を要請した。ネタニヤフ氏も受け入れたもようだ。大使館の移転問題も話し合われた可能性がある。

 トランプ氏はイスラエル寄りの姿勢を鮮明にしている。駐イスラエル大使に親イスラエル派の弁護士フリードマン氏を指名した。娘婿で大統領上級顧問のクシュナー氏も親イスラエルの立場だ。

 イスラエルはエルサレムを「首都」とするが、パレスチナ自治政府も東エルサレムを将来の首都とみなす。帰属問題は未解決で、日米を含め各国はテルアビブに大使館など在外公館を置く。

 米メディアによると、トランプ政権は発足前から欧州やアラブ諸国の同盟国に米大使館のエルサレム移転計画を説明し始めた。

 米議会はエルサレムへの米大使館移転を求める法案をこれまで可決している。移転を凍結しているオバマ前大統領の大統領令が今春に失効するとされ、「5月にも移転が発表されるのではないか」との観測もある。

 米メディアは米大使館をエルサレムに移しても、設置場所によって意味合いは異なると報じる。

 西エルサレムなら、パレスチナ人がイスラエルに併合されたと認識する東エルサレムよりも衝撃は少ないとの見方だ。

 だが、中東情勢を大きく揺るがしかねない火種だ。アラブ諸国やイスラム諸国の指導者はトランプ氏に自制を求め、イスラエル国内ですら予測不能の事態を招くリスクへの警戒がある。「心温まる話し合いだった」。トランプ氏との電話協議を振り返るネタニヤフ氏の言動にも、問題の過熱を抑えたい思惑がにじむ。

 パレスチナ自治政府のアッバス議長はトランプ氏の大統領就任前に書簡を送り、大使館を移転しないよう要請。イスラエルとパレスチナの「2国家共存」という目標に向けたプロセスを「破壊しかねない」と訴えた。「越えてはならない一線」とも発言している。

 アラブ連盟のアブルゲイト事務局長は「移転はテロと過激主義と暴力をもたらす」と警告。イスラム協力機構(OIC)のオサイミーン事務局長は「移転は国際法や国連安全保障理事会決議に違反する」として、トランプ氏に自制を求めた。

 アハラム政治戦略研究所のアムル・シュバキ氏は「パレスチナの和平協議の息の根を止め、地域に地獄の門を開くだろう」と指摘する。過激派組織「イスラム国」(IS)などが混乱に乗じてテロ活動を活発にするリスクがあるため、欧州にも懸念が広がっている。

 ▼エルサレム ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地。イスラエルは1948年の第1次中東戦争で西エルサレムを獲得、67年の第3次中東戦争で旧市街を含む東エルサレムを占領した。エルサレムを「恒久的首都」と宣言して政府機能を置くが、パレスチナ自治政府は今も多くのパレスチナ人が暮らす東エルサレムを将来の独立時の首都とし、争いが続く。 国際社会はエルサレムをイスラエルの首都と認めず、日本を含め各国は商都テルアビブに大使館を置く。米大使館もテルアビブにあるが、米議会は95年、親ユダヤ議員の主導でエルサレムに移す法律を制定。歴代米政権は「安全保障上の問題」として大統領の権限で実施を先送りしてきた。