AIと世界 今そこにある未来(4) 原石を磨く 若い 力伸ばせるか 2017/4/14 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「AIと世界 今そこにある未来(4) 原石を磨く 若い力伸ばせるか」です。





 中国・上海のオフィスに3月、50人あまりの若者が集まった。北京大学、清華大学などの大学院生の成績優秀者で隣の席のライバルと雑談することなく、一心不乱にキーボードをたたく。

■中国で人材発掘

AIの特許数で躍進する中国の大学生たち

 人工知能(AI)ソフトウエア開発のワークスアプリケーションズ(東京・港)が開いた新卒採用の選考会だ。「これからの本屋チェーンをどうつくるか」をテーマに5日間かけてシステムを開発させて実力をみる。

 ある学生は「在庫を分析し、店に自動出荷できます」と開発中の機能を説明した。最新のプログラミング言語を複数使いこなしてソフトを書き上げる。指導役の謝健清氏が「プログラミングはしっかりしているし、顧客の立場から考えられている」と声をかけると、学生から笑みがこぼれた。

 中国での採用は人材不足を補うためだ。経済産業省の調べでは、AIなど先端的なIT(情報技術)を扱う日本国内の人材は既に1万5千人が不足し、2020年には4万8千人に拡大する。

 「プログラミングのスピードに驚く」(採用責任者)ほど能力のある彼らには百度(バイドゥ)やアリババ集団などの中国IT大手に加え米国企業も誘いの手を伸ばす。

 AIの特許数で米国に迫る中国。政府の指導もあり、幼少期から数学、物理、化学のほか、プログラミング技術を教え込んだ成果が表れている。

 ただ、中国のAI論文は他の研究者の後追いも多いという。実務面で市場の視点から考える力が足りないなどの指摘もある。復旦大学でAIを研究する危輝教授は「もっと広い視野を持たないと」と危機感も見せる。

 原石を磨く試みは、日本でも始まっている。

■文理の枠超えて

 滋賀大学が4月、AI人材育成へ向けて開設したデータサイエンス学部。教育科目は統計やプログラミングといった理系だけではない。経済学や倫理、社会心理などの文系科目も教え込む。学部長を務める竹村彰通教授は、AI時代の人づくりは「文系、理系の枠組みを超えた横断的な教育が必要になる」と見る。

 同学部には今春、文理を問わず110人が入学した。損害保険会社などと組み、生きたデータを使った分析講座も開く。

 3月には大阪市で「未来の仕事」をテーマに中・高校生によるプレゼンテーション大会が開かれた。注目を集めた一人が「AI法の専門家」を提案した谷口佳鈴さん(金蘭千里中学3年)だ。

 AIが犯罪や事故をした際に裁く法律やその専門家が必要になり、違憲審査や裁判員裁判も行う――。イメージは具体的だ。「米国で自動運転が起こす事故の訴訟が話題になっており、今の法律制度では対応できないと思うようになった」

 これからの若者は人間とAIが共存する社会で生きてゆく。AIに使われるのか、それとも使いこなすのか。未来は自ら切り開かなければならない。(この項おわり)

宮沢徹、古田彩、進藤英樹、中山淳史、板津直快、瀬川奈都子、多部田俊輔、岩村高信、阿曽村雄太、森園泰寛、黄田和宏、戸田健太郎、関優子、小野沢健一、近藤佳宜、生川暁、八十島綾平、上野宜彦、福岡幸太郎、佐藤浩実、中川雅之、川上梓、花田幸典、花田亮輔、矢野摂士、飯島圭太郎が担当しました。



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