カテゴリー別アーカイブ: キャリアアップ

経営書を読む 「イノベーションと企業家精神」(4) 競 争に打ち勝つには 1つの目標に資源集中 2017/2/21 本日の日本 経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「経営書を読む 「イノベーションと企業家精神」(4) 競争に打ち勝つには 1つの目標に資源集中」です。





 ドラッカーは企業家精神を発揮するためには組織内部のマネジメントに加えて、市場に関わる原理と方法が必要なことを強調し、それを「企業家戦略」と定義します。

 その一つが「総力戦略」です。企業はこの戦略によって新たに大きな産業を生み出し、市場で最初からトップの座を得てそれを永続させます。成果は大きいのですが、失敗が許されず、チャンスは二度とありません。

 よって、思いついたアイデアをすぐに実行するのではなく、明確な目標を1つ掲げて経営資源を集中させます。そして、成果が出始めたら大量の資源を追加投入しなければなりません。さもなければ、すぐに競争相手に市場を奪われます。さらに、競争相手よりも先に自らの手であえて製品やプロセスを陳腐化させたり、価格を計画的に下げたりといった努力も必要となります。

 ドラッカーは「創造的模倣」という概念を定義し、「ゲリラ戦略」について述べています。誰かが行ったことを模倣しながら、最初にイノベーションを行った者よりもその意味をより深く理解し、より創造的なものに仕上げ、短期間に市場を奪う戦略です。既に製品が市場で受け入れられているためリスクを小さくできる利点があります。

 専門技術や専門市場など限定された領域で実質的な独占を目指す「ニッチ戦略」は、成功してもほとんど目立たず、無名なままかもしれません。しかし市場における製品の重要性は高く、それらの企業はライバルからの脅威にさらされること無く、優雅に暮らすことができます。

 ドラッカーはまた「イノベーションの価値は、顧客のために何を行うかによって決まる」と言います。顧客は企業が算出するコストにではなく、価値に対してお金を支払います。そして最後に「我々はイノベーションと企業家精神が当たり前のものとして存続していく企業家社会を目指すべきだ」と主張しています。

=この項おわり



経営書を読む 「ハード・シングス」(4)企業の目的良い会社で あること 2017/1/24 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「経営書を読む 「ハード・シングス」(4)企業の目的良い会社であること」です。





 経営において従業員を大事にすること、働きやすい職場をつくることが何よりも重要だとホロウィッツは説きます。「人、製品、利益を大切にする――この順番で」と彼は言います。米国の有力ベンチャーキャピタリストといえば、株主至上主義的な教義を持っていると想像しがちですが、ホロウィッツの見方は全く異なります。

 ホロウィッツは良い会社であること、それ自体が企業の目的であり、そうすることが企業の持続的成長を支えると考えます。投資家の興味は製品がどれくらい売れるかにあります。しかし、利益を企業のゴールと考えるのは、「生きることのゴールは呼吸をすることだ」と言うようなものだと彼は言います。

 事業がうまく運んでいる間は、良い会社かどうかは社員にとってさして重要ではありません。会社が大きく成長しているときに社員が会社に居続ける理由は無数にあります。しかし、何らかの理由で事業の歯車が狂ったときに優秀な社員を会社にとどまらせる唯一の理由は、その仕事が好きということなのです。

 良い会社では人々が自分の仕事に集中し、その仕事をやり遂げれば会社にも自分にも良いことが起こると確信している。このような組織で働けることが真の喜びとなります。誰もが自分のすることは効率的で効果的で、組織にも自分にも何か変化をもたらすとわかっている。それが彼らの仕事への意欲を高め、満足感を与えるのです。

 一方で不健全な会社では、皆が多くの時間を組織の壁や内紛や崩壊したプロセスとの戦いに費やしています。自分の仕事が何なのかさえ明確ではなく、自分が役割を果たしているかどうかを知る由もありません。

 毎日、起きている時間の大半をここで過ごす人たちが良い人生を送ることは、自分にとって大切であり、そのことが自分が会社に来る唯一の理由であると、ホロウィッツは言うのです。

=この項おわり



経営書を読む 「ハード・シングス」(3) 次世代リーダー 意図して育てる仕組みを 2017/1/17 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「経営書を読む 「ハード・シングス」(3) 次世代リーダー 意図して育てる仕組みを」です。





 ホロウィッツは最高経営責任者(CEO)には2種類あるといいます。

 1つは会社の向かうべき方針を決めるのが得意なタイプです。戦略的思考に優れ、決断を下すことが好き。手ごわいライバルを相手にした複雑極まる勝負を楽しみます。一方、社員のトレーニングやパフォーマンス管理等、日常業務には退屈してしまいます。大部分の創業者CEOはこのタイプ(1)に当てはまります。

 もう一つは会社を能率的に運営するプロセスを完成させることに喜びを見いだすタイプ(2)です。明確な目標を設定し、その目標を変えることを好みません。業務プロセスの改良や社員の責任分担の明確化などを滞りなく進めます。一方で、自ら戦略的に思考するのは苦手で大きな決断を怖がりがちです。完璧な決断をめざすあまり、問題を必要以上に複雑にして悩む傾向があるようです。

 ホロウィッツは、立ち上げた企業を持続的に運営していくには、CEOとしてこの2つのスタイルを使いこなす必要があるといいます。実際、ベンチャー企業の創業者CEOが失敗する例の多くは、タイプ(2)の要素を取り入れられなかったパターンです。偉大なCEOになるにはこの2種類がともに必要ですが、多くの人はどちらかを得意とすると解釈できます。

 事業が拡大し組織が大きくなるにつれて、意思決定を効率化するためにリーダーシップが多層化します。その結果、CEOは通常、タイプ(1)の役割を強く求められることになります。このとき、直属の部下に類似のタイプがいると生産性にネガティブな影響が出ます。そのためタイプ(1)に優れたCEOは、部下にタイプ(2)として機能する人を欲しがるのです。

 ここでパラドックスが生じます。自然に対応していくと、次のリーダー層の中にタイプ(1)を担える人材が育ちません。ベンチャー企業といえども企業として継続していく上で、意図して次世代リーダーを育成する仕組みが必要になるのです。



経営書を読む 「ハード・シングス」(2) CEOという仕事 行動様式獲得には時間と根気 2016/12/27 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「経営書を読む 「ハード・シングス」(2) CEOという仕事 行動様式獲得には時間と根気」です。





 ホロウィッツは最高経営責任者(CEO)として活躍するには、逃げることなく困難に立ち向かうことが絶対的に必要だと主張します。

 CEOは皆、孤独で、極度なプレッシャーの中で異常な心理状態に陥ります。時に会社の生死に関わる、社員の多くに悪い結果をもたらすかもしれない問題を、ギリギリの状態で誰に相談することもできない中で検討します。CEOを目指す方々は高い目的意識を持ち自分の仕事に深くコミットしています。それでも「もうこんな仕事は投げ出したい」と思う瞬間が繰り返し訪れるのです。

 著者は成功したCEOに会うたびに「どうやって成功したのか」と聞きます。凡庸なCEOは、優れた戦略的着眼など自己満足的な理由を挙げる傾向があるようです。一方、偉大なCEOたちは端的に「私は投げ出さなかった」と答えます。成功するためには、困難な環境下でも逃げることなく自分の心理をコントロールする絶対的な力が求められるのです。

 そもそもCEOという仕事は人間本来の姿からすると不自然な動作の連続だとホロウィッツは言います。彼はこの点で類似性のあるボクシングを引き合いに分析します。例えば後ろに下がるときには後ろ足から先に動かさなくてはいけない。前足から下がると、相手のパンチを避けられずに簡単にノックアウトされてしまう。こうした不自然な動きが自然にできるようになるには長時間の練習が必要になります。

 CEOは(人間であるため)本来的には人々に好かれる行為をとりたがります。しかし、長期的に人々の支持を得ようとするならば、時には短期的に人を怒らせるような行動をとらなくてはいけません。もしCEOが人間としての自然な動作を毎日繰り返していれば、あっという間に会社経営の場でノックアウトされてしまいます。CEOという仕事も長い時間をかけて、根気強く、必要な行動様式を獲得していく必要があるのです。



眠れるGRITどう伸ばす やる気のツボ再確認 2016/12/27 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「眠れるGRITどう伸ばす やる気のツボ再確認」です。





 「やり抜く力」はどうすれば伸ばせるか。人材サービスのエン・ジャパンが提供する「目標必達」講座の講師、横田昌稔氏に講座で実践する方法を聞いた。

 目標必達講座は同社が提供する120の研修の中でも需要が高く、2015年度の人気講座ランキングでは管理職部門で4位、一般社員部門で9位に入った。横田氏は「学生時代にスポーツなど一つのことをやり抜く経験が昔より減っているようだが、社会に出ると営業目標などの必達が求められる。そうしたギャップから求められているのではないか」とみる。

 諦めずに最後までやり抜くためには、モチベーションの維持が欠かせない。その際、単に気合や根性に訴えるのではなく理屈で考えるのがポイント。自分のやる気スイッチになる魅力的な「報酬」が何かを知ろう。

 例えば「年収1000万円」のような金銭的報酬もあれば、精神的満足などの非金銭的報酬もあるだろう。「社長に認められる=承認」「顧客の生活水準向上を実現する=貢献」といったものだ。紙に書き出し優先順位をつけてみると自分の価値観を再確認できる。

 もう一つ大事なのが「実現可能性」。明確で適切な高さの目標を設定することが肝心だ。それには「SMARTかどうか確認するといい」。(1)Specific(具体的)(2)Measurable(測定可能)(3)Achievable(達成確率50%の水準)(4)Relevant(今の職務や役割と整合的)(5)Time‐bound(期限が明確)――を指す。

 例えば「速やかに会議用資料を作る」という目標は明確でない。そこで「中期経営計画の会議に必要な今後10年間の市場分析資料を今月末までに作る」というふうに修正する。具体的な目標であれば実施計画が立てやすく進捗も確認できる。

 エン・ジャパンで研修サービスの営業を担当する滝本恵美氏は「何かをやり抜くには周囲を巻き込む力も大切」と指摘する。キャリアを積むにつれて1人で完結する仕事は減ってくる。相談する、協力を仰ぐなど他者活用力も意識したい。

 やり抜く力を高めるのに所属する組織も大きく影響する。エン・ジャパンでは新入社員にはまず何かしら数字を伴った目標を立てさせ、宣言させる。達成したあかつきにはバッジを渡し、社員全員で褒める。達成は心地よいという経験の積み重ねが「目標達成グセ」を付ける。

(森国司)



究極の能力GRIT 「やり抜く力」成功者に共通 2016/12/27 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「究極の能力GRIT 「やり抜く力」成功者に共通 」です。





 成功をもたらす究極の能力として「やり抜く力(GRIT)」が脚光を浴びている。9月に出版されたダイヤモンド社の同名の翻訳書が3カ月で20万部売れるなど、ビジネス書としては異例の人気となっている。「才能よりも重要」とされるGRITとはいったいどんな能力なのか。一年の計を考える年末年始を前に、その伸ばし方も知っておきたい。

「やり抜く力」は3カ月で20万部売れた(東京都千代田区の丸善丸の内本店)

 「GRIT」は根性や気概を意味する英単語。ダイヤモンド社で同書を担当した三浦岳副編集長によれば、GRITはビジネスやスポーツ、芸術などジャンルを問わず成功者が共通して持っている「最後まであきらめない気骨」を指す。

 著者の米心理学者、アンジェラ・ダックワース氏はもともと持っている「才能」に「努力」を掛け合わせることで「スキル」が上達し、スキルにさらに努力を掛け合わせて初めて「達成」につながるという図式を示す。才能とはあくまで「スキルが上達する速さ」で、達成までに2回出てくる努力の重要性にこそ目を向けるべきだという。

 ダックワース氏はGRITを「Passion(情熱)」と「Perseverance(粘り強さ)」で説明する。ポイントは情熱だ。こつこつまじめに取り組んでも、それを退屈と思えば疲弊するだけ。傑出した成果にはつながりにくい。やり抜く力を求める前に、自分が情熱を持って本当にやり遂げたいと思えることを探す必要がある。

翻訳書が異例の人気 努力の大切さに裏付け

 本書が受けている理由を、ダイヤモンド社でマーケティングを担当する松井未来部長は「表層的なテクニック本に飽きた人が増えた」とみる。

 松井氏によると、ビジネス書のここ5年のトレンドは特に「○○術」「○○法」といったタイトルの本が多かった。「これだけ食べればやせる」とうたうダイエット本のように今すぐできて効果があるという内容だ。

 しかし「成功はそんなに簡単に得られるものではない、と世間が気づき始めた」(松井氏)。「ウサギとカメ」のように現状打破の近道は努力の積み重ねだという本書の主張は、当たり前だが本質的だ。ビジネスパーソンだけでなく、子供の成績に悩む母親からも「これで人生が終わるわけではないと勇気がわいた」と感想が寄せられた。

 本書は370ページと一般のビジネス書の1.5倍の分量があり、それゆえに敬遠される懸念もあった。予想外のヒットにつながったのは、「努力を大切にする日本人の精神性を学術的に裏付ける内容に、新鮮さを感じてもらえたのでは」と三浦氏。やり抜くことが大事との考えは「不安定な世の中を生きる人への励ましになる」と期待する。



就職前にワーキングホリデー 異国で働き成長実感 2016/12/26 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「就職前にワーキングホリデー 異国で働き成長実感 」です。





 海外で働きながら勉強できる「ワーキングホリデー制度」は、ビジネスパーソンがいったん休職して利用するというのが一般的だった。しかし最近では、就職前の学生の利用が増えているという。海外で勉強するだけなら「留学」でいいわけだが、社会に出る前に、あえて異国の地で働きながら学ぶことを選んだ学生は、何を得て帰国したのか。経験者に聞いた。

■豪での苦労、自信生む

河野さん(中央)はリンゴ農園で働いた(豪ドニーブルック)

 ▼河野文也さん(23)関西大学人間健康学部4年生

 大学2年生の9月から1年間休学し、オーストラリアに滞在した。1年次は、出身の宮崎県都農町から大阪に出てきて、田舎と違う刺激がたくさんあり楽しかった。しかし、2年生になる春休みに「何しに大学に入ったのか」と行き詰まり、ふと「海外に行ってみよう」と思い立った。その翌日には日本ワーキング・ホリデー協会の大阪オフィスを訪れた。

 実は、姉がかつてワーキングホリデーを利用していたので、制度を身近に感じてはいた。しかし、英語が大の苦手で海外渡航も初めて。英語の勉強を大してせずに向かったところ、入国管理の質問が全く聞き取れず、すべて“Yes”と答えてしまった。

 オーストラリアでの最初の2カ月はメルボルンの語学学校に通い、その後は仕事を探すために履歴書を50枚ほど書いたが語学力の問題で不採用が続き、やっと日本食レストランで職を得た。しかし、仕事は日本人と一緒に地下室でラーメンを作ること。「これは違う」とすぐに辞めたが、資金は底をついてしまった。世間はクリスマスにわく12月だった。

 幸い現地の知り合いの紹介で、西部のパースの南方にあるドニーブルックのリンゴ農園で働くことができた。時給は20ドルと高く、貯金が40万円ほどできたので、市街地のパースでの生活を経験した後、最後の2カ月間はフィリピンに渡り、改めて語学学校に入った。

 渡航前は、社会人の先輩らが異口同音に「学生の時は良かった」と言うので、働くことに抵抗があったが、いまは社会に出るのが楽しみだ。本気でやれば何とかなるという自信もついた。オーストラリアでたくさんの人に助けてもらった経験から、いずれは「人とのつながり」を柱としたビジネスを立ち上げたい。

(談)

■ホテルで英語鍛える

 ▼折田将信さん(23)山口大学教育学部4年生

折田さん(右)は、ためたお金で豪州を旅した(フェイスブックから)

 将来の夢は、高校の英語教師になることだ。コミュニケーション重視の英語教育を目指す上で、日本での学習には限界があると感じ、大学3年前期が終わった時に留学を決意した。大学の交換留学という手段もあったが、自由にプランを立てることのできる私費留学のほうが魅力的だった。

 まずは語学学校で英語力を鍛え、それを生かした形でネーティブのいる環境で働き効率的に英語力を上げるという計画を立てた。ワーキングホリデーで学校に通うことができる期間はオーストラリアでは4カ月と決められている。英語はそんな短時間で身に付くものではないと判断して、最初に学生ビザでシドニーの語学学校に入り、10カ月間学んだ。英語を母語としない人が対象の英語教授法「TESOL」を学べたことも、教師を目指す上で有意義だった。

 ワーキングホリデーのビザに切り替えてからは、ケアンズに近い高級リゾート地のハミルトン島のホテルで、完全に英語だけの環境下で約5カ月間働いた。

 主にキッチンが職場だったが、慣れてからは日本からの観光客の通訳を任されるようになった。精神的にしんどい面もあったが、あのつらい日々を乗り越えたことが、自分自身の成長につながっていると確信できる。

 渡航前は600点程度だった英語能力テスト「TOEIC」のスコアが今は890点まで伸びた。また、オーストラリアでの生活を通して、異国文化の理解もできた。英語教師になる夢に一歩近づけた気持ちだ。

(談)

■若者向けに交流カフェ

 日本ワーキング・ホリデー協会(東京・新宿)の池口洲理事長によると、学生の利用が増えたのは2011年の東日本大震災の後からだという。

ワーキングホリデー・コネクションには外国人も働いている

 かつては学生に限らず「『海外で英語ができるようになればいいな』とふわっとした人が多かった」と池口氏。一方、最近は「いつ何が起きるかわからない。時間が自由になる学生のうちに、英語力をスキルとして身につけておきたい」と、特に学生は目的意識がはっきりしている。内定から入社までの時期を利用する大学生も増えている。

 同協会は「海外に興味を持つ若者の交流の場」として7月に、東京・原宿にカフェ「ワーキングホリデー・コネクション」を開いた。店長やスタッフの多くはワーキングホリデー経験者。制度で来日して働いている外国人もいる中で、気軽に相談ができる体制だ。

(編集委員 木村恭子)

 ▼ワーキングホリデー制度 日本政府が協定を結んだ国や地域間で観光や勉強だけでなく、就労も可能なビザを利用できる制度。18歳から30歳まで申請でき、原則1年間。同じ場所には一度しか行けない。 日本は1980年にオーストラリアと協定を結び、以後、ニュージーランド、カナダ、韓国、フランス、ドイツ、英国、アイルランド、デンマーク、台湾、香港、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、オーストリアと続き、現在では16カ国・地域。 ビザ取得にあたり、語学力の基準が不問であったり、滞在先で働くことができるため、初期費用が少なくすむのが特徴。日本からは年間で約2万人が利用し、渡航先は時給が高いオーストラリアが最も多く、約1万人に上る。相手国・地域から日本を訪れる若者は約1万人。



経営書を読む ハード・シングス(1)経営とは何か 困難 をマネジメントすること 2016/12/20 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「経営書を読む ハード・シングス(1)経営とは何か 困難をマネジメントすること」です。





 著者のベン・ホロウィッツは米シリコンバレーを拠点とする超有力ベンチャーキャピタルの共同創業者です。投資先にはフェイスブック、ツイッターなどテクノロジーの最前線の企業が名を連ねます。本書は彼自身がベンチャーキャピタリストに転じる前に、ITベンチャーのラウドクラウド(後のオプスウエア)を創業し最高経営責任者(CEO)として経営を指揮した実体験に基づいて書かれています。

 本書で展開されるのは経営の圧倒的なリアリティーです。起業家として会社を立ち上げ、CEOとして経営のかじ取りをする中で、次々と迫る困難に直面した際、どううまくいかなかったかをストレートに伝えています。美談や成功秘話ではない――それが本書の極めて異色なところです。

 本書から得られる示唆は「経営とは何か」という本質的な問いに他なりません。困難をマネジメントすることが経営の神髄であり、強い意志と正しい野心がそれを支えるということを伝えているのです。

 ホロウィッツは経営の自己啓発書を読んで「本当に難しいのはそこじゃないんだ」と感じ続けてきたといいます。既存の経営書は、そもそも対処法が存在しない問題に対処法を教えようとするところに問題があると指摘します。

 デジタルテクノロジーの圧倒的な進化とともに、日本においてもベンチャーの立ち上げが若い世代にとって当たり前の時代になっています。また、ベンチャーだけでなく、大企業もデジタル的な要素を経営に取り入れ、新たな事業を立ち上げることを求められています。起業にせよ、新規事業立ち上げにせよ、成功する確率は極めて低い。経営者は数多くの苦闘と挫折をくぐり抜けることを強いられます。

 ホロウィッツは言います。起業家はその苦闘を愛せと。本連載を通じて読者の皆様と一緒に、その苦闘の連続から得られる教訓が何かを読み解いていければと思います。

(全文を電子版に▼ライフ→出世ナビ)



経営書を読む サーバントリーダーシップ(1)サーバントとは 明確な夢を持ち奉仕する 2016/11/22 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「経営書を読む サーバントリーダーシップ(1)サーバントとは 明確な夢を持ち奉仕する」です。





 本書はロバート・K・グリーンリーフによって提唱された社会性、公共性の高いリーダーシップ論の名著の邦訳です。グリーンリーフは当時世界最大の企業(従業員100万人)だったAT&Tでキャリアの大半を費やしましたが、退職後に教育、コンサルティング、講演活動などを経て1970年に「サーバントとしてのリーダー」という37項の小冊子を刊行。「サーバントリーダーシップ」という概念を初めて活字として公表しました。この時、66歳でした。

 リーダーシップ論は実に数多くありますが「サーバントリーダー」の際立った特徴は何でしょうか? また、なぜ米国はもとより、近年の日本においてもこのリーダー論に注目が集まっているのでしょうか?

 著者によると、サーバントリーダーとはそもそもが“サーバント(従者、召使、尽くす人、奉仕者)”であり、奉仕したい、奉仕することが第一だという自然な感情を持っている人です。

 しかし、単なる召使や奉仕者ではありません。奉仕の前提として、意識的な目標の選択と、目標の明確な表現ができる人です。ここでいう目標とは、大きな夢、絵に描けるような概念、最終的な到達地点といったもので、それは「今のところ手に届かないが、そこに向かって努力を重ねるべきもの」なのです。

 そして、サーバントリーダーは明確な目標を掲げた上で、「私は行く。一緒に来たまえ!」と先頭に立って宣言するリーダーでなければいけません。さらに自らの志を追求し、身をささげ、献身的に働くことを通じて、「結果的に」リーダーとなる人であり、同時にフォロワーに対して受容と共感を示し、常に「聞く姿勢」を備えています。

 このようなリーダーは日本人にとっても理想的なリーダーに違いありません。しかし、そのようなリーダーが見当たらなくなったことが、今「サーバントリーダシップ」に注目が集まっている理由なのかもしれません。

(全文を電子版に▼ライフ→出世ナビ)



経営書を読む ストーリーとしての競争戦略(4) ライバルの模倣防ぐ 一見非合理、全体で合理性 2016/11/15 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「経営書を読む ストーリーとしての競争戦略(4) ライバルの模倣防ぐ 一見非合理、全体で合理性」です。





 最終回の今回はクスノキ戦略論の“一番イケてる部分”を紹介します。そのカギは「クリティカル・コア」です。それだけを見ると一見非合理でも、ストーリー全体の文脈では強力な合理性を持つ戦略要素です。

 例えばスターバックス。同社の店舗は直営です。しかし短期間に店舗網を拡大するにはフランチャイズ方式を採用した方が合理的に見えます。

 カギは「第三の場所」という同社の事業コンセプトです。仕事に追われる職場と自宅の間に、ちょっとくつろげる場所を消費者に提供するというものです。日本に進出した当初、戸惑った人が多かったのではないでしょうか。カウンターで注文してもファストフード店のようにすぐに商品が出てこないからです。

 しかしそこが肝だったのです。スターバックスは「わざと」時間をかけていたのです。時間に追われるお客が店にいると第三の場所としての雰囲気を壊してしまうので、「急ぎの客」が来ないようにしているのです。

 そう考えると直営にこだわる理由が見えてきます。フランチャイズ店のオーナーなら店の利益を少しでも多くしたいと思うでしょう。手っ取り早い方法はお客の滞在時間を短くすることです。そのために商品をできるだけ早く出そうとするかもしれません。しかしそれでは第三の場所を提供することにはなりません。そんな事態を防ぐため、店舗運営を完全にコントロールできる直営方式を採用しているのです。

 環境変化を先取りした「先見の明」型の戦略は、変化の全貌が見えてくれば競合の追随を招きます。それに対してクリティカル・コアを組み込んだ戦略はライバルの模倣を避けることができます。そこだけ見れば非合理に見えるのでライバルに模倣する気持ちが起きないのです。その結果、競争優位は持続します。戦略をストーリーとして捉えるからこそ見えてくる卓越した戦略の背後にあるロジックです。

=この項おわり