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働き方改革、服装も優秀な人材獲得へ魅力高めるTシャツ禁止撤廃 2017/ 9/15 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の企業面にある「働き方改革、服装も優秀な人材獲得へ魅力高めるTシャツ禁止撤廃」です。





 大企業の間で職場のドレスコード(服装規定)をよりカジュアルな方向に見直す動きが相次いでいる。日本オラクルは服装規定を全廃し、伊藤忠商事はジーンズ着用を解禁した。多様な働き方を認める機運が高まる中、働く人の個性を引き出そうと、職場の装いもこれまで以上に変わろうとしている。

伊藤忠商事では金曜日のカジュアルな服装が定着している(東京都港区)

 東京・青山通り沿いにあるIT(情報技術)大手、日本オラクルの本社。最近、ジーンズにTシャツやショートパンツ姿の男女が行き交うようになった。6月に服装規定を撤廃し、社員が思い思いの服装で出社できるようになったからだ。

 これまでスーツの着用義務こそなかったが、ジーンズやTシャツ、スニーカーは禁止していた。一方でIT業界では、ベンチャー企業を中心にTシャツなど自由な服装で仕事するのが当たり前となっている。「スーツでは浮いてしまう」。社員の声が人事に届き、規定を撤廃した。

 ルールの変更は風通しの良い職場であることをアピールし、人材獲得に好影響を及ぼす目的もある。若者世代は企業風土や文化、働きやすい環境などを就職の際に重視する傾向が強まっている。人事本部の二見直樹シニアマネジャーは「職場のカルチャーへの注目が高まっている」と指摘する。

 伊藤忠商事も6月に服装規定を見直した。毎週金曜日には、ジーンズやくるぶし丈のズボン着用も認める。さらに15日から、スニーカー着用を奨励する日も設ける。

 「楽な格好で仕事をするというのではなく、柔軟な発想力を養うことにつながる」。音頭を取る岡藤正広社長は、服装規定の見直しを生産性向上を目指す取り組みの一環と位置付ける。20年前に始めたカジュアルフライデーよりも、より柔軟な着こなし方を選べるようにした。社内からは「部下との距離が近くなった。」(本司博水産部長代行)との声が聞かれる。

 マニュライフ生命保険も服装が仕事に与える効果を指摘する。このほど「毎日カジュアルでよい」との服装規定を新設。金融機関では珍しくジーンズも容認する。

 慶応義塾大学の満倉靖恵准教授の監修のもと、ギャップジャパン(東京・渋谷)が昨秋、約20人を対象に実施した脳波測定調査では、フォーマルウエアでのストレス度の数値がカジュアルウエアに比べ7割高かった。ラフな服装での会議は相手と打ち解ける突破口を生みやすいという。

 働き方改革で社員の能力や個性を引き出す企業が増えている。社員の個性を認め、伸ばしていくという企業の姿勢は、働く人の装いからもうかがえる時代になりそうだ。

(弟子丸幸子)



大和ハウス、訪日客向け3000戸 ホテル仕様で1泊から3 年で 1泊から長期滞在まで対応、市場の空白狙う 2017/9/14 本 日の日本経済新聞より

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 大和ハウス工業は2020年までに訪日客を主な対象にしたホテル仕様の賃貸マンションを全国で3千戸整備する。キッチン付きで1戸当たり4~6人が利用できる。訪日客の急増でホテル不足が指摘されるが、一般の家屋を貸し出す民泊は規制が厳しい。大和ハウスは旅館業の許可を得られる規格の施設を建て、長期滞在ニーズにも対応した訪日客の受け皿を作る。

 整備するのは欧米では一般的に「アパートホテル」と呼ばれる施設。キッチン付きのホテルのような仕様だが、ホテルよりもサービスを絞り込むことで手ごろな価格で1泊から長期滞在まで対応できるのが特徴。民泊やホテルなどの間にある隙間市場を狙う。

 首都圏や近畿圏など大都市部で地権者などとの交渉を始めた。自社で土地を購入して建設するほか、土地オーナーからアパートの建設を請け負い運営を受託することも想定する。1戸あたりの建設コストは1千万円程度で、投資額は最大300億円規模となるもようだ。金沢市など観光地でも展開する。

 1棟あたりの戸数は4~100戸ほどとする予定。各戸の間取りは2~3部屋(40~50平方メートル)とし、6人程度までの収容を基本とする。宿泊費は1泊1室3万円程度に設定。1泊から泊まれるが、6人なら1人5千円以下で泊まれるようにして長期滞在のニーズに応える。

 各戸に備えたキッチンで自炊できる。長期の滞在でも週2回の割合で清掃やシーツ替えをする。1施設が数十戸を超える規模の物件ならフロントも設置し、宿泊者の相談に乗るコンシェルジュを駐在させる。コンシェルジュには外国人を積極採用する。

 旅館業の登録は基本的に自治体が管轄する。大和ハウスは自治体や地域の保健所と協議して「ホテル営業」や「簡易宿所営業」などの認可が通る仕様で建設する。管理でもホテル運営などで培ったノウハウを生かす。

 ホテルの代替となる施設ではマンションなど一般の住戸を貸し出す民泊も広がっている。ただ基準を満たさない「違法民泊」が社会問題化しており、治安面の懸念などで同じマンション住民からの苦情も相次いでいる。

 東京都大田区や大阪市などでは「特区民泊」の営業ができるが、2泊3日以上が前提。2018年施行予定の「住宅宿泊事業法(民泊法)」では年180日の営業日数上限がある。



中国企業、日本に「紅い経済圏」 消費分野で進出続々 2017/8/20 本日の日本経済新聞より

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 中国発の新たなビジネスが日本上陸を続々と決めている。ネット通販最大手アリババ集団はスマートフォン(スマホ)決済サービスを提供し、民泊最大手の途家(トゥージア)は楽天と提携した。かつて中国企業の日本進出はブランドや技術を狙った製造業の買収が中心だったが、消費・サービスへと分野が広がってきた。日中関係の不安定さなどのリスクはあるものの、2017年は「紅(あか)い経済圏」が日本に押し寄せる節目となる可能性がある。

旅行サイトの携程旅行網は東京駅近くに接客カウンターを設けた(東京・千代田)

 東京・秋葉原の雑居ビルの一室。途家の日本法人は16年にできたばかりで、数人が働く地味なオフィスにすぎない。しかし、約1億8千万人が専用アプリをダウンロードしている中国の民泊の草分けだ。米エアビーアンドビーの最大のライバルとして台頭している。

 楽天との提携を2日発表した。「中国で圧倒的な存在感を持つ会社と組み、効率的に中国人訪日客を獲得する」(楽天の民泊事業会社の太田宗克社長)。日本での民泊の本格解禁をにらみ、18年1月にも途家のサイトに楽天の物件を載せ始める。

 今月には、アリババが中国で5億人が使うスマホ決済アプリ「支付宝(アリペイ)」と同じサービスを18年春にも日本で展開することが分かった。

 「現金に偏る日本の決済文化を変えたい」。アリババ傘下の金融会社アントフィナンシャルジャパン(東京・千代田)の岡玄樹社長は意気込む。年内には家電量販店などアリペイ対応店舗を約5万店に増やす方針だ。

 経済成長に伴い、中国企業の日本進出が本格化したのは10年ごろ。当初は不振の日本企業を買収する例が目立った。自動車の比亜迪(BYD)による金型大手オギハラ(群馬県太田市)の工場買収や家電量販の蘇寧電器集団によるラオックス買収が典型例だ。

 日銀の統計では、16年の中国の対日直接投資は4372億円。一時は沖縄県・尖閣諸島を巡る摩擦などで減ったものの、13年以降は3千億~5千億円で安定推移する。

 17年1~6月は833億円にとどまるが、中国企業の対日投資に詳しい西村あさひ法律事務所の張翠萍・外国法パートナーは「提携や単独進出など買収以外の手法が増えた。進出件数は伸びている」と分析。最近は対象が消費・サービス分野に広がってきたという。

 「これから京都に行くので、荷物を預けておけば身軽に動ける」。旅行サイト最大手の携程旅行網(シートリップ)が1日にJR東京駅近くに開いた日本初の接客カウンター。広東省から家族旅行で訪れた田海浜さん(37)は笑顔を見せた。

 日本には16年、約637万人の中国人が訪れたが、そのうち400万人以上がホテル予約などでシートリップを使ったという。自社カウンターの開設を「個人旅行客の取り込みにつなげる」(日本法人の梁穎希社長)ことで日本定着を目指す。

 22日には、シェア(共有)自転車大手の摩拝単車(モバイク)が札幌市で日本初のサービスを始める。不動産大手の万科企業など中国系5社連合がグローバル・ロジスティック・プロパティーズ(GLP、シンガポール)を買収し、97カ所(3月末時点)の拠点を持つ日本最大級の物流施設運営会社になることも7月に決まった。

 製造業でも新たな動きがある。「電機業界で品質管理の経験5年以上」「10年以上の精密自動化設備の開発経験」。通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)は今春から日本の求人サイトでこんな募集を出している。勤務先は千葉県船橋市だ。

 船橋の工場跡地にまず50億円ほど投じ、年内に通信機器を研究・製造する新拠点に衣替えする。通信キャリア向けの機器を手がけるようだ。買収ではなく自社が正面から活動を広げ、技術者や調達先が豊富な日本発の機器を世界に売っていく。

 製造業から消費やサービスに広がってきた進出は、中国経済圏そのものが日本に上陸する意味を帯びる。アリババは屋台でもスマホ決済する買い物文化、モバイクは日本では珍しい民間による自転車シェアを持ち込む。中国企業が日本で整えた仕組みに日本の消費者も組み込まれていく。

 シェアエコノミーなどの分野で日本の固い規制・習慣を突き崩す一方、共産党体制の国の企業が日本の決済や個人情報を押さえる政治的なリスクを生む。日本の企業や規制当局は膨張する中国経済圏との付き合い方を改めて問われそうだ。



ネット×リアル小売り新局面(下) 客と接点、通販に呼び込む 20 17/8/10 本日の日本経済新聞より

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 米アマゾン・ドット・コムが高級スーパー「ホールフーズ」の買収を発表した6月16日、米小売大手のウォルマートもある戦略を発表した。衣料品のネット販売で急成長しているベンチャー、ボノボスの買収だ。

米ボノボスのガイドショップは試着用で、商品は宅配する

自己否定の買収

 ボノボスはネット専業だが、街中に「ガイドショップ」と呼ぶショールームも持つ。客が試着して気に入れば店内のタブレット端末で注文し商品は後日、自宅に届く。店では売らないため在庫が不要。レジ担当など人件費も抑えられる。

 「店で売らない」ことは実店舗の販売で成長してきたウォルマートにとって自己否定にもつながりかねないビジネスモデルだが、ネットの浸透は実店舗のあり方に変化を迫る。

 ホームセンター大手のカインズが4月に開業した広島LECT店(広島市)。目玉は同社最大級の「店内工房」で、運営は工具ネット通販の大都(大阪市)の力を借りた。大都は溶接や木工などを体験できる店を持つが「実際に商品を売るのはあくまでネット」(山田岳人社長)。利用経験がある30代男性は「店で試せるので不安がなく、家まで持ち帰る必要もないので便利」と話す。

 わざわざ売り上げを生まない場所を設けたのは「もはや面積当たりの売上高など旧来の指標だけを競っても仕方がない」(カインズの関係者)と考えたため。国内ネット通販市場は約15兆円まで拡大し、容赦なくリアルを侵食する。ネット時代の店舗の役割とは何か。カインズの土屋裕雅社長は「店は顧客とつながる場所になる必要がある」と強調する。

 ネットは店舗を設ける「期間」の概念にも変化を促す。

 フランスの高級調理器具、ル・クルーゼジャポン(東京・港)は「ポップアップストア」に力を入れる。必要な時に必要な場所にだけ設ける店舗だ。4月には潜在顧客が多そうな場所を選び、東京・六本木に10カ月間だけの店を設けた。

店頭と主従逆転

 期間限定では売上高を継続的に伸ばせないが、消費者に効率的にアピールできる。同社ではネット経由の販売比率が5年前の2倍にあたる10%まで拡大。「小売店だけに頼らずに済むようになりつつある」(モニカ・ピント最高経営責任者)なか、効果的に売り上げを伸ばす手法を探る。

 ポップアップストアは米国で年9兆円の売り上げを生んでいるとの調査もある。実店舗とネットの主従関係をいったん逆転させるような発想が効果を生む。

 ネットのフリーマーケット事業で急成長してきたメルカリも1カ月間限定の「メルカリ・カフェ」を東京・原宿に開いた。店内で社員がアプリの使い方を教え、出品や購入を体験してもらう。利用者が3500万人を超えたメルカリがさらに成長するには、まだネットの外にいる消費者を引き寄せる必要がある。

 リアルがネットへの対応策を探り、ネットはリアルを新しい方法で活用する。融合が加速する現場で、お互いの強みを使いこなす知恵比べが進んでいる。

 中西豊紀、小高航、中山修志、平野麻理子、原島大介、早川麗、篤田聡志、中川雅之が担当しました。



EV革命と石油の終わり事業の寿命、自問続けよ 編集委員 松尾博文 2017/8/7 本日の日本経済新聞より

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 英仏政府が2040年までにガソリン車の国内販売を禁じる方針を決めた。トヨタ自動車とマツダは電気自動車(EV)の共同開発を視野に資本提携で合意した。EVの台頭や、再生可能エネルギーの急速なコスト低減が、石油の大量消費を前提とする20世紀型の社会・産業構造を変えようとしている。

 「液化天然ガス(LNG)はいつまで必要か」

 「ずっと続くと信じてやっている」

 三菱商事の垣内威彦社長の問いに、エネルギー部門の幹部は気色ばんだ。同社の16年3月期決算は資源安の影響を受け、初の連結最終赤字に沈んでいた。

 同年4月に就任した垣内社長がまず手をつけたのは150に及ぶ事業単位の「仕分け」だった。それぞれの事業を5段階に分類し、ピークアウトしたと判断した事業は撤退も考える。

 三菱商事はLNGビジネスのパイオニアだ。1969年に投資を決めたブルネイLNGプロジェクトは「失敗すれば三菱商事が3つつぶれる」と言われた。この決断が花開き、原料炭などとともに三菱商事を支える主力事業に育った。

 だが、「どんな事業、どんなビジネスモデルにも寿命がある」と、垣内社長は言う。過去に安住して未来はない。ピークアウトに向き合い、どう乗り越えるのか。問われているのは変化への対応力だ。中核事業だからこそ自問を迫った。

 燃料転換にとどまらず、人工知能(AI)やIoT、シェアエコノミーなど、自動車を起点とする革命は全産業に広がる可能性がある。誰が主導権を握るのか。垣内社長は「見極めるためにも自動車ビジネスに関与し続ける」と話す。

 石油のピークはいつか。ここ数年、関心を集めるテーマだ。「地球上には経済成長を支えるだけの石油がない」とするかつての議論ではない。温暖化対策や、自動車・発電の燃料転換によって石油消費は遠からず減少に転じ、石油が余る時代が来るとの見方だ。

 「石油の終わり」と決めつけるのは早計だ。英メジャー(国際石油資本)、BPのチーフエコノミスト、スペンサー・デール氏は「現在、200万台のEVが35年に1億台に増えても、失われる石油需要は日量300万~400万バレル。1億バレル前後の需要全体でみれば小さい」と指摘する。EVの実力を見極めるにはもう少し時間が必要だろう。

 ただし、国家運営を石油収入に頼る産油国は小さな可能性も見過ごせない。国際エネルギー機関(IEA)の事務局長を務めた田中伸男・笹川平和財団会長は、「国営石油会社の新規株式公開(IPO)など、サウジアラビアが大胆な改革を進める背景には石油の需要ピークへの備えがあるのではないか」と見る。

 仏トタルの生産量は10年前、石油が7割、天然ガスが3割だったが、今は5対5。パトリック・プヤンネ最高経営責任者(CEO)は「35~40年にはガス比率がさらに上がり、再生可能エネルギーが全体の2割を占めるだろう」と語る。

 メジャーとはもはや、巨大石油企業の代名詞ではない。エネルギー大転換のうねりは速度を上げ、国家と企業に変身を迫る。



宿泊サイトの集客力向上 ヤフー系やJTB 2017/8/6 本 日の日本経済新聞より

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 IT(情報技術)大手や旅行大手は宿泊施設の予約サイトの集客力や安全性を高めるサービスを始める。ヤフー子会社は部屋だけでなく周辺の体験プランも予約できる予約管理システムを販売、JTBは情報セキュリティー会社に出資し宿泊施設などをサイバー攻撃から守るシステムを開発する。中小では手が回りにくい安全対策を含めてサイトを強化することで集客につなげる。

 ヤフー子会社で宿泊予約管理システム大手のダイナテック(東京・中央)は体験予約サイトのアソビュー(東京・渋谷)と組み、予約システムを拡充する。

 システムを導入済みの約2800施設を予約する個人が、施設周辺で提供されているパラグライダーやラフティング、陶芸、そば打ちなど1万5千件以上の体験プランを部屋と一緒に予約できるようにする。体験重視の「コト消費」需要に応え、宿泊予約率を高める。

 拡充後も宿泊施設が支払う料金(導入費用が税別12万円から、毎月の利用料が同1万1千円から)は変えない。

 JTBはセキュリティー技術開発のブループラネットワークス(東京・渋谷)に数億円出資した。同社のサイバー攻撃防御ソフトを自社で活用するほか契約先の約7500のホテル・旅館向けに提供する。宿泊施設が抱える個人情報などをサイバー攻撃から防ぐのに適した新システムの共同開発にも取り組む考えだ。

 エイチ・アイ・エス(HIS)は子会社化したシステム開発会社のエス・ワイ・エス(東京・港)を通じて予約管理システムをホテル向けに販売する。旅行比較サイトと各施設の公式サイトを結んで誘客し、直接予約を増やす。

 訪日客の増加で大都市のホテル・旅館の稼働率は堅調だが、地方では伸び悩む施設も多い。各社は支援を強化することで宿泊施設を確保したい考え。



脊髄損傷に再生医療 ニプロ、18年にも幹細胞で 2017/8/5 本日の日本経済新聞より

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 医療機器大手のニプロは神経や軟骨に変化する幹細胞を使った脊髄の再生医療を2018年にも実現する。患者の骨髄から取り出して増やした幹細胞を体内に戻す治療の試験にこのほど成功、今秋にも厚生労働省に再生医療製品として申請する。これまで損傷した脊髄を治す方法はなかったが、再生医療ならある程度の回復が見込めるため、実用化が加速しそうだ。

 ニプロは札幌医科大学(札幌市)と14年から共同で研究してきた。幹細胞は体内の傷ついた場所に集まる性質がある。体内に戻した幹細胞は脊髄の損傷した部分に自然と集まり、神経を再生する。その結果、脊髄損傷により歩けなくなった患者が歩けるようになると期待されている。

 交通事故やけがなどで脊髄を損傷した場合、手足のまひなど深刻な障害が残る。リハビリで一部の運動機能が戻ることもあるが、現在は治療できない。国内に約20万人の患者がいるとみられ、毎年5千人ほど増えている。今回の治療は歩けないなど比較的重症の患者が対象になりそうだ。

 ニプロの今後の課題は量産技術の確立だ。今のところ技術者が手作業で幹細胞を増やしているため、年間100人分程度しか作れないという。生産や検査を自動化する技術の開発を進めているが、人材をさらに育成できるかが焦点だ。

 同じ中枢神経系である脳の疾患への応用も検討する。既に脳梗塞の患者で臨床試験を進めている。

 傷ついた神経を再生医療で治療する動きは国内外で活発になっている。慶応義塾大学の岡野栄之教授と中村雅也教授らは、18年前半にもiPS細胞を使った脊髄の治療で臨床研究を始める。バイオベンチャーのサンバイオ(東京・中央)は16年から米国で脳梗塞治療の臨床試験を大日本住友製薬と共同で進めている。

 ニプロの17年3月期の連結売上高は3596億円で、人工透析治療に使う人工腎臓や後発医薬品が主力だ。再生医療の関連ビジネスを新たな収益の柱に育てる。

 ▼幹細胞 幹から枝や葉に分かれるように、さまざまな組織になる能力を持つ細胞。これまで根本的な治療法がなかった臓器や組織の再生医療の切り札として期待がかかる。大きく分けて人の体に広く存在する体性幹細胞、受精卵から作られる胚性幹細胞(ES細胞)、皮膚などの細胞から人為的に作るiPS細胞の3種類がある。



広島・宮島にホテルや地ビール醸造所 訪日客増、観光消費促す 20 17/8/1 本日の日本経済新聞より

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 世界遺産の厳島神社がある広島県廿日市市の宮島でホテルや地ビールなど開業が相次ぐ。錦水館(同)は9月1日にホテルを大規模改修して「ホテル宮島別荘」を開く。宮島ビール(同)は11月に醸造所を新設、大手コーヒー店も併設する。1~6月の来島者数は前年同期に比べて23万人増の218万人と年間では450万人に達する勢い。消費額の拡大を目指す。

 錦水館は宮島桟橋の向かいにあった「旧宮島観光ホテル錦水別荘」を7億5千万円かけて大規模改修した。町家や海、山の風景を感じられる部屋を設け、食事は広島県産の食材を多く使用し料理をビュッフェ形式で提供する。錦水館の5代目宿主、武内恒則社長は「自分の家にいるような安心感が得られたり、落ち着きが感じられたりする場所にした」という。開業に向け約20人の新入社員を今年春に採用。インスタグラムへの写真投稿で宮島の魅力を発信する。

 厳島神社の入り口まで続く「表参道商店街」の一角には宮島ビールが11月に3階建ての飲食店を併設した醸造所を設ける。ビールは持ち帰りで200ミリリットル入り1杯350円。宮島ビールの有本茂樹最高経営責任者(CEO)は「かんきつ類のビールなども提供し、幅広い年代層に愛飲してもらいたい。飲食店は夜11時まで営業する予定で宿泊者に利用してもらいたい」と話す。

 表参道商店街の奥にある「町家通り」でも古民家を改装して料理店やカフェ店、雑貨店などが集積し始めた。2016年秋に欧風料理「宮島レ・クロ」が開業した。「弁天の宿いつくしま」は「リブマックスリゾート安芸宮島」に替わった。

 1947年に5197人いた島内の人口は1637人(17年7月1日現在)とピークの3割に減少。89年に団体客を中心に52万人いた島内宿泊者数も減少したが、ホテルや旅館は個人客に絞って部屋に工夫を凝らし、15年は36万人と、ほぼ30万人台を維持している。

 一方で8月と11月は単月で約50万人が訪れ、表参道商店街での通行がしにくくなるなど課題も出てきた。宮島水中花火大会の実行委員会は開催日を8月の第4土曜日(今年は26日)に移すなど、多客時対策を急ぐ。

 ▼宮島 日本三景のひとつ。厳島神社と前面の海、背後の弥山(みせん)の原始林を含めた島全体の14%を占める431ヘクタールが1996年12月7日に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録された。

 厳島神社の社殿は593年の創建とされ、平安時代末期に平清盛が現在と同じ規模の社殿を整備したとされる。現在の大鳥居は1875年に再建。2012年7月に宮島の南西部がラムサール条約の湿地に登録された。絶滅危惧種の「ミヤジマトンボ」が生息する。

 宮島観光協会の中村靖富満会長(やまだ屋社長)は訪日外国人の増加が後押ししているとみる一方、思い出に残る体験や、夜でもにぎわいを感じられる街づくりに向けた知恵や努力が求められると話す。主な一問一答は以下の通り。

 ――16年の来島者数が過去最高を更新しました。17年上半期(1~6月)はどうですか。

 「1月を除き単月で過去最高を更新した。閑散期でも訪日外国人が多い。単純計算して下半期が昨年並みなら年間450万人になりそうだ」

 「五日市港に大型のクルーズ客船が多く寄港しており、16年に訪日外国人は28万人に増えた。6~7割は欧米系だ。09年に廿日市市が仏モンサンミッシェルと観光友好都市で提携しており、フランス人も多い」

 ――島内消費額の増加が課題ですね。

 「宿泊費を含めて1人平均で約3500円。外国人は土産物をまとめ買いして近所に配るような習慣はなく、店ごとに経済効果につながる工夫が必要だ。当社ではもみじまんじゅうの手焼き体験を実施し、年3万7千人が利用している」

 「夜に出歩いて食べたり飲んだりする店も少しずつ増えてきたが、外に出たくなるような取り組みを地域全体でやりたい。若い人の知恵や努力が求められている」



ビジネスTODAY 孫氏「死ぬまで事業家」10兆円ファンドで「 次の本業」探し 2017/7/29 本日の日本経済新聞より

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 ソフトバンクグループがサウジアラビアと共同で発足させた10兆円規模の投資ファンドが、世界のIT(情報技術)ベンチャーを揺さぶっている。発足から2カ月余り。ファンドは沈黙を通しているが、投資先だと判明した企業は無名の米ベンチャーばかり。つぶさに見れば孫正義会長兼社長の狙いが透けてくる。

孫氏はベンチャー投資でIoTを強化(28日、都内で開いた人材イベント)

 28日、都内で開いた「孫正義育英財団」の式典。孫氏は支援する45人の若者を励まし終始、上機嫌だった。ただ報道陣から10兆円ファンドについて問われると鋭い目つきで答えた。「僕は死ぬまで事業家だ」

 世界中のベンチャーキャピタルの年間運用額をしのぐ巨大ファンドを手にしたが、それでも事業家にこだわる。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏と比較されることもある。だが、孫氏は28日も「バフェット氏は尊敬するが、僕は僕の努力をやっていく」と語った。

 その真意はファンド発足から2カ月余りの動きを追えば浮かぶ。10兆円の投資先について、ファンド側からの情報発信はない。投資を受けた米2社が開示しただけで、他はソフトバンクへの取材で明らかになった。

 「最近は目覚めた時、自分が世界のどこにいるのかを思わず確認してしまう」。孫氏は投資先を求めて世界中をプライベートジェットで飛び回る。滞在先として圧倒的に多いのはシリコンバレーなど米西海岸だ。

 がん検査のガーダント・ヘルス、農業のプレンティ、ロボット関連のブレイン・コープ――。孫氏が10兆円の使い道に選んだ企業の多くが、米西海岸の無名のベンチャーだ。ソフトバンクの本業である携帯や通信とはほど遠い事業を手掛ける。

 そもそも孫氏は「ソフトバンクは通信会社ではなく情報革命屋さん」と話す。時代とともに移ろう情報産業の主役に本業を乗り換え続けて来た。1981年にソフトウエアの流通から始め90年代にインターネットに参入。2001年にブロードバンドで通信に参入した。06年に携帯に進出し、これまでに少なくとも3度、本業を変えてきた。

 そこで欠かせない手段が投資だった。95年に無名だった米ヤフーに出資し、06年には英ボーダフォン日本法人を買収して携帯を始めた。

 孫氏はあらゆるモノがネットとつながるIoTが次の主役だと考える。その原動力となるのがAIの進化。IoT時代に人類と共存するのが、AIを備えたスマートロボットだ――。こんな未来図を描く。

 投資先の事業はバラバラに見えるが、孫氏の頭の中では3つの単語でつながる。その対象領域はかつてなく広い。そこで巨大ファンドを手に新たな事業のタネを探ろうというのが孫氏の考えだ。

 10兆円ファンドを連結対象に組み入れる背水の陣を敷いた。「僕にとって大きな挑戦」と言う4度目の本業換えに乗りだした。

(杉本貴司、大西綾)



「無印」ホテル国内初出店 19年開業の銀座旗艦店に併設 2017/7/5 本日の日本経済新聞より

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 衣料雑貨店「無印良品」を運営する良品計画は5日、東京・銀座に世界最大の旗艦店を2019年春に開業すると発表した。日本有数の商業地である銀座で外国人やビジネスパーソンにも無印ブランドを発信し、客層の拡大につなげる。国内初となる無印ブランドのホテルも併設する。

 新たな旗艦店は東京メトロ銀座駅から徒歩2分ほどの並木通り沿いに開業する。読売新聞東京本社と三井不動産が開発する地上10階建てのビルに入居し、地下1階~地上6階を無印良品、6~10階を「MUJI HOTEL」(仮称)とする。

 無印良品の店舗面積は3300平方メートル超と、近くにある世界最大の有楽町店(東京・千代田)を上回る規模になる。自社競合を避けるため、有楽町店は契約更新に合わせて閉店するという。

 ホテルの運営は小田急電鉄子会社のUDS(東京・渋谷)が担う。良品計画は内装デザインの監修のほか、自社商品のベッドやシーツ、歯ブラシなどを提供。価格や部屋数は今後詰める。海外では年内にも中国・北京や深?でMUJI HOTELが開業する予定だ。