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米、ウクライナ関与強化 停戦巡り英独仏伊と協議へ 対ロ政策欧州と結束 英のEU離脱で 2016/07/08 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際2面にある「米、ウクライナ関与強化 停戦巡り英独仏伊と協議へ 対ロ政策欧州と結束 英のEU離脱で」です。





 【ロンドン=古川英治】ケリー米国務長官は8~9日にポーランドで開く北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を前に7日、ウクライナを訪問した。米英独仏伊の5カ国とウクライナで首脳会談を開き、ウクライナに軍事介入するロシアへの対策を協議すると表明した。英国の欧州連合(EU)離脱問題で混乱が広がるなか、米欧の主要国が参加する枠組みで協議を主導し、対ロ政策で米欧の結束を図る狙いとみられる。

 ケリー長官は7日、ウクライナの首都キエフで同国のポロシェンコ大統領らと会談した。両氏は会談後の記者会見でNATO首脳会議の場で米欧5カ国とウクライナが首脳会議を開くことを明らかにした。ロシアの支援を受ける親ロ派武装勢力との戦闘が続くウクライナ東部の停戦合意を巡り「合意を履行するようロシアに圧力を掛ける方策を話し合う」(ポロシェンコ大統領)。

 ケリー長官は「停戦合意の実現に向け幅広い方策を取る準備がある」「ロシアが義務を果たさなければ、制裁は続く」となどと述べ、ロシアに停戦合意の履行を求めた。ウクライナに対する人道支援を追加で支出する方針を示し、NATOも首脳会議でウクライナ支援を打ち出すとの見通しも明らかにした。

 ウクライナ東部の停戦協議はこれまで独仏がロシアとウクライナを仲介する形で4カ国の枠組みで進められてきた。英国のEU離脱問題の余波が広がるなかで、欧州内では対ロ関係の改善を求める声が高まるとの見方も出ている。こうした情勢を踏まえ、米国はウクライナの停戦合意の実現に向けて関与を強める姿勢を示したとみられる。

 ケリー長官は6日に訪問したジョージア(グルジア)でも同国の防衛装備強化などを柱とする軍事・安全保障協力に関する覚書に調印した。ジョージアも2008年にロシアの侵攻を受け、アブハジアと南オセチアという2つの地域は親ロ派勢力が実効支配している。

 ウクライナとジョージアはEUとの間で包括的な協力の枠組みである「連合協定」を締結し、欧州への統合を目指している。両国はNATOへの加盟方針も打ち出しており、ロシアは強く反発している。

 英国がEUからの離脱を決めたことで、各国では動揺が広がっている。EUの混乱により、旧ソ連諸国への支援が弱まるとの見方が背景にある。

 EU内では欧州統合を目指す旧ソ連諸国との協力を巡って温度差がある。ロシアを安全保障上の最大の脅威と位置づけるバルト3国やポーランドなどが積極的な半面、ロシアとの経済関係を重視するイタリアやハンガリーなどは対ロ融和姿勢を示す。米国とともに対ロ強硬を主導してきた英国がEUを離脱すれば、EU内でロシアとの関係改善を優先する勢力の声が高まりかねない。

 ウクライナ東部への軍事介入を続けるロシアに対し、EUは経済制裁を延長することを決めたが、「対ロ政策で米国とEUの間で溝が広がる可能性は否定できない」と欧州主要国の外交官はもらす。欧州はシリア内戦を起点とする難民問題などでロシアの協力を必要としている事情もある。

 ジョージアなどでは国民の間でEUに対する幻滅感も広がっているという。経済危機や難民問題、英国の離脱とEUの混乱が続くなかで、「国民の間でEUの魅力が薄れていることは確か」と、親欧米路線推進派の野党幹部は指摘する。



大機小機 消費増税の先送り方 2016/04/19 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合2面にある「大機小機 消費増税の先送り方」です。





 九州地方で起きた熊本地震は、自然の恐ろしさを改めて見せつけた。政府は人命を第一に、救助・復旧に全力をあげてほしい。

 道路や鉄道などのインフラは寸断された。訪日客の減少も懸念される。経済への影響はすぐには分からないが、2017年4月に消費税率を現行の8%から10%に引き上げるハードルは一段と高くなった。

 もともと、景気は本調子からほど遠い。実質賃金は増えず、円高も心配だ。15年10~12月期に続き、16年1~3月期の実質国内総生産(GDP)もマイナス成長がとりざたされる。「デフレ病」が悪化するくらいなら、増税は延期するのが正解だろう。

 その判断は正しくても、ことはそう簡単ではない。危機的な日本の財政を考えれば消費増税は必要だ。第1に増税を先送りするなら、次にいつ上げるのか。

 財務省幹部は「今の政権のうちにやらなければ無責任だ」という。安倍晋三首相の自民党総裁任期は18年9月だから、その場合は18年4月。しかし、1年の猶予で日本経済を巡る不安がなくなるだろうか。それなら19年4月? その年の夏には参院選がある。

 第2に、次の増税時期を決めたとして、それを誰が信じるのか。14年11月に消費増税の先送りを表明した安倍氏は記者会見で「再び延期することはない。断言する」と力説した。

 安倍氏は「リーマン・ショックや大震災のような事態が起きない限り、予定通り増税する」とも言ってきた。ただ、増税先送り論は熊本地震が起きる前から政権内にあった。法律にも書いた内容を2度もくつがえして「今度こそ」で納得するほど市場は甘くない。

 首相周辺では、安倍氏が増税先送りを決断した場合の頭の体操が始まっている。「延期するかどうかではなく、どうやって延期するかが悩ましい」と政府高官は漏らす。税収増が見込めなくなる分、財政健全化は遅れる。子育てや介護など社会保障を充実させる財源が不足する問題もある。

 「必ずや(増税できる)経済状況を作り出す」。14年11月、安倍氏はこうも言った。なぜそうならなかったのか。「決断」の理由を中国経済の不調などの外部環境や震災だけに求めるのなら、増税延期の先にあるのはやはり増税延期しかない。

(ペン尻)



店頭解剖 人を呼び込む(1) 本と雑貨、くつろぎ演出 客の滞在時間を長く 2015/12/15 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の企業面にある「店頭解剖 人を呼び込む(1) 本と雑貨、くつろぎ演出 客の滞在時間を長く」です。





 インターネット通販の普及や増え続ける訪日客など、小売り・サービス業を取り巻く環境の変化は激しい。国内消費が盛り上がりを欠くこともあり、各社は消費者の関心を少しでもひき付けようと新しい店づくりに懸命だ。めまぐるしく変わる店頭の姿を通じて消費のいまを探る。

衣料品や雑貨と一緒に関連書籍が並ぶ(東京都千代田区の無印良品有楽町)

目玉の2万冊

 JR有楽町駅(東京・千代田)の目の前にある良品計画の「無印良品有楽町」。約3300平方メートルの売り場を持つ同社の旗艦店が今年9月、大きく生まれ変わった。改装の目玉は主力の衣料品でも雑貨でもない。2万冊をそろえる本だ。

 同店は1階が旅行関連商品、2~3階では衣料や雑貨、家具などを扱う。エスカレーターで2階に上がると、まず目を引くのがアーチ状の特殊な本棚に、オブジェのようにディスプレーされた本だ。通常の無印良品には無い独特の雰囲気を醸し出す。

 各売り場にはそれぞれ書棚があり、関連する雑誌などが陳列されている。婦人服売り場を見て回ると、いつの間にかファッション誌が目に飛び込んでくる。食品・食器コーナーには料理本やレシピ本のほか、食をテーマにした小説などが並んでいる。

 「駅前で分かりやすいし本も置いてあるので、よくここで友達と待ち合わせをします」。都内で働く30歳代の女性はこう話す。外回りの営業マンらが空いた時間にふらりと立ち寄るといった姿も目立つ。

 自宅にいながらネットを通じて欲しい商品が手軽に手に入る時代。小売業の間では「モノ」を売るだけでなく、体験など「コト消費」を重視する動きが目立つ。商品以外の面もアピールして店に足を運んでもらい、長く滞在してもらうことで売り上げにつなげる。

 良品計画は店舗の魅力を高めるための「コンテンツ」に本を選んだ。今回の改装にあたっては自社内だけでは売り場に合った本選びが難しいため、コンサルティングなどを手がける編集工学研究所(東京・世田谷)と連携。雑貨などとの相性を重視した本選びや、一般の書店とは異なる陳列手法などに取り組む。

売上高2割増

 新井真人店長は「本からヒントを得て最終的に無印の商品を買ってもらいたい」と話す。実際に「改装後は明らかに来店客の滞在時間が長くなった」。同店全体の売上高も改装前に比べて2割強増えている。

 東京都世田谷区で5月に開業して話題を集めたカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の「蔦屋家電」も家電と書籍を一体提案する。ユナイテッドアローズも運営する一部の店舗で衣料品に関連する本を扱う。

 自社製品に比べて収益性が低いことが多い本に大きな売り場を割くことには効率性などの課題もある。無印良品も本そのものの販売は目標に届いていない。本が店舗活性化の「切り札」になるかはまだ未知数だ。

 ただ、新しい魅力を発信し続けなければ店舗に客は呼べない。良品計画の松崎暁社長も「世界の旗艦店である有楽町では新しいことに積極的に挑戦していく」と力を込める。客に足を運んでもらうための模索が続く。



中南米の景気減速 企業業績に影響広がる ヤマハ発は二輪不振、ブリヂストンは特損 2015/11/19 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資情報面にある「中南米の景気減速 企業業績に影響広がる ヤマハ発は二輪不振、ブリヂストンは特損」です。





 中南米の景気減速が日本企業の業績に波及している。消費不振が深刻なブラジルでホンダが工場の稼働を延期し、ヤマハ発動機は二輪車の販売計画を引き下げた。ベネズエラではブリヂストンが多額の損失計上を迫られ、三井金属はチリの鉱山で損失が発生する。中国に続く「ラテンリスク」が日本企業の新たな課題に浮上している。

 ヤマハ発は今月、2015年のブラジルでの二輪車販売計画を15万6000台から13万6000台へと2万台引き下げた。「ニューモデルを出しても購買意欲を全く刺激できない状況」(関係者)が続いている。

 ホンダは新車市場の落ち込みで、来年3月に予定していたブラジルの四輪車第2工場の稼働を延期する。延期の決定は7月に続いて2回目だ。稼働時期は未定という。

 中南米は資源の輸出国が多い。原油や銅などの資源価格が下落して貿易赤字が膨らみ、為替市場ではブラジルの通貨レアルやチリのペソなどが大きく下落した。通貨安で輸入品の価格が上昇するとインフレを招き、個人消費を冷え込ませる。経済規模の大きいブラジルや産油国のベネズエラで景気減速が目立つ。

 「景気悪化が影響した」とヤクルト本社の川端美博副社長は話す。2015年4~9月期は純利益が過去最高を更新したが、主力製品の「ヤクルト」はブラジルで販売が減少している。1日当たりの販売本数は1~6月、前年同期に比べ2%減った。キリンホールディングスも1~9月のビール販売数量が前年同期比で2割の減少だ。

 ランニングシューズを輸入販売しているアシックスは、レアル安で採算が悪化している。三井海洋開発はブラジル子会社へのドル建て債権の評価損で70億円の損失計上を迫られた。野村証券の中島将行アナリストは「高いインフレが続き、政治不安も大きい。当面レアル安が是正される可能性は低い」と予測する。

 チリでは資源事業で損失が相次ぐ。三井金属は持ち分法投資損益に計上している銅鉱山の損失が年間で約65億円発生する見通しだ。住友金属鉱山も銅鉱山の稼働が遅れ、資源事業の経常利益は39%の減少を見込む。

 ベネズエラではブリヂストンが現地法人を連結対象から外し、15年12月期に423億円の特別損失を計上する。政府の制約でドルを十分に確保できなくなり、「子会社の適切な運営」という会計基準に抵触した。メタノールを生産している三菱ガス化学は、生産が困難になる事態に備えて海を挟んだトリニダード・トバゴでメタノールの生産事業に参画する。

 日本企業が直面する最大の課題は中国景気の減速だ。しかし、中南米の不振もじわりと影響が広がってきた。米国は年内の利上げ観測がくすぶる。米国と地理的に近く経済的な結びつきも強い中南米経済の先行きは、不透明感を増している。



2014/12/02 本日の日本経済新聞より「大機小機 通貨マフィア黒田氏の政治感覚」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合2面にある「大機小機 通貨マフィア黒田氏の政治感覚」です。





 イラクのクウェート侵攻に端を発した1991年の湾岸戦争に際してのことだ。米ブッシュ政権のチェイニー国防長官は、開戦という極秘情報をグリーンスパン米連邦準備理事会(FRB)議長にはこっそり伝えた。

 金融市場が混乱しないようにするための配慮だった。87年のブラックマンデーを果敢な金融緩和で切り抜けた同議長は既にカリスマ的存在になりつつあった。

 常にではないが、中央銀行トップは時に最高権力者と通じる政治的動物になる。黒田東彦日銀総裁はどうだろう。

 10月末の追加緩和は消費増税を先送りしても日銀が国債を買い支えるとのメッセージとなり、結果的に安倍晋三首相が解散に踏み切る素地をつくった。増税先送りではあるが2017年4月には上げるとの約束を取り付けたと考えることもできる。財務省で主税畑も長い黒田総裁の政治感覚がにじみ出たように映る。

 黒田氏のもう一つの特徴は、財務官時代の電撃的な為替介入を思い起こさせることだ。兜町の古株は「10月の追加緩和で短期筋はみんな踏み上げられちゃった」と言う。「踏み上げ」とは先物や信用で売っていた投資家が買い材料に慌て、損失覚悟で買い戻し、相場が上昇することを指す。介入に驚いた外為投資家が慌てて円売り・ドル買いに走るのに似ている。

 円安株高を演出する黒田氏の手法は「通貨マフィア流」なのだ。批判をよそに「円安はトータルで見てプラス」と言い切ることができるのも、財務官の経験、人脈、信念があるからだろう。FRBは「いち抜けた」の感があるが、欧州中央銀行(ECB)などはマネーの大量供給を伴う「通貨安競争」の渦中にあり、日銀も逃れられない。

 一方で98年施行の改正日銀法で為替介入は政府の権限と位置づけられた。建前上は為替を目標にできない。そんな日銀の「円安誘導」に政府が寛容なのは黒田氏の存在があってこそだ。日銀プロパーの総裁なら政府は横やりを入れるだろう。

 一時的に神格化された人も歴史が評価を逆転させることはある。グリーンスパン氏もリーマン・ショックを生んだ住宅バブルを放置したとして後に批判された。今はまだ黒田氏を称賛する声が優勢だが、当初のような「手放し」の空気が少しずつ薄れているように感じられる。

(三剣)