FINANCIAL TIMES WTOに中国を提訴 米、多方面から貿易圧力 2016/05/12 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際1面にある「FINANCIAL TIMES WTOに中国を提訴 米、多方面から貿易圧力」です。





 米共和党の大統領候補指名を確実にしたドナルド・トランプ氏は、中国に貿易戦争を仕掛けると脅かしているようだが、米中両国はすでに小競り合いを始めている。

 米国は10日、自国の鶏肉に対する中国の反ダンピング関税を世界貿易機関(WTO)に提訴した。オバマ政権の中国の提訴は12回目で、これまでの政権では最多だ。

 同政権を駆り立てているのは、来年1月のオバマ大統領の退任前に環太平洋経済連携協定(TPP)の議会承認を得たいという熱意だ。同政権では、日米など中国を除く環太平洋諸国12カ国が参加するTPPは、同地域の通商を支配しようとする中国への重要な戦略的対応であると主張する。

 トランプ氏らが言うように中国が問題なら、同氏が提案している関税そのものではなく、TPPこそが完全な対応になると米政府高官は話す。

 中国の新たな経済ナショナリズムや、それが米国の農産物輸出やハイテク企業、世界の鉄鋼業界などにどのような影響を及ぼすかに対し、経済界も不安を強めている。

 商務省は中国のハッカー攻撃と知的財産権の侵害に対する制裁として、中国からの鉄鋼輸入の禁止を求めるUSスチールの申し立てについて、受理するか否かを今月末までに判断する見込みだ。夏の終わりまでには中国の一部鉄鋼製品に最高266%もの懲罰関税が科される可能性がある。

 米国は多方面から貿易圧力をかけている。WTOによる中国の「市場経済国」認定を阻止するため、水面下でロビー活動を展開中だ。中国は同認定を重視しており、WTO加盟から15年を迎える今年12月に自動認定されるべきだと考えている。

 ケイトー研究所のダン・アイケンソン氏は、中国の台頭に対するオバマ政権のTPP推進は、オバマ氏の議会に対する立場の弱さを浮き彫りにしていると言う。「オバマ政権が中国を国際ルールの違反者と位置づける要素は全てそろっている。(議会への)最善の反撃方法は、そうした貿易問題を取り上げることだ」

 ただ、ピーターソン国際経済研究所のゲーリー・ハフバウアー氏は、米中の通商関係に「極度の敵対期」をもたらす危険もあるとみる。

(11日付)

=英フィナンシャル・タイムズ特約



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