2015/03/14 本日の日本経済新聞より「進化に挑む回転ずし(下)売れるネタ、予測に磨き」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の消費Biz面にある「進化に挑む回転ずし(下)売れるネタ、予測に磨き」です。





 今月6日、愛知県安城市に一風変わった「カフェ風」回転ずし店が開業した。カッパ・クリエイトホールディングスが既存店を改装した。屋号は「かっぱ寿司」だが、内外装と看板は白を基調に一新。パフェなどスイーツを増やした。叔母と来たという20代の女性は「居心地がよくて長居してしまいそう」と話す。

白を基調にした明るい店舗で新しい客をつかむ(愛知県安城市、かっぱ寿司の店舗)

 カッパは昨年末、外食大手のコロワイドの傘下に入った。カッパは過去に品質を犠牲に低価格に走り客が離れ、2015年3月期は3期連続の最終赤字の見通し。かつて業界首位だった同社のつまずきは、顧客の選別の目の厳しさを物語る。新型店は「経営再建の一里塚」(カッパ首脳)だ。

「大手は2社に」

 コロワイドは12年に焼肉店「牛角」を買収するなど外食企業の再建を得意とする。野尻公平社長は「カッパの出店を加速して、日本一を奪回したい」と鼻息が荒い。ゼンショーホールディングス傘下の「はま寿司」は年70店前後のハイペースで出店している。ある外食企業の経営者は「店舗の飽和感が早晩強まり、大手チェーンは2社に絞られる」と指摘する。

 安易な値上げは許されない。いまも郊外店では税別「1皿100円」が売りもの。調査会社のエヌピーディー・ジャパン(東京・港)によると消費者が回転ずしを選ぶ理由は「価格が手ごろ」が37%と最も多い。

 生き残りに向けた試みのキーワードが「需要予測」だ。

 席に通されたとたん、食べたいすしが次々に流れてくる――。近い将来こんな店が実現するかもしれない。

「捨てない」競う

 あきんどスシローは2月、スマートフォン(スマホ)用の予約アプリをほぼ全店に投入した。狙いは客の利便性アップだけではない。アプリで予約した客の注文傾向を把握して履歴を残せば、次の来店時に売れそうなネタを流すことができる。

 売れるかどうかわからない商品を流す回転ずしは「捨ててしまう商品量をいかにコントロールできるか」(同社)が利益のカギだ。スシローは時間帯や過去の混み具合の実績を基に、1分後と15分後の需要を予測して商品を流す仕組みを導入済み。予約アプリを使った需要予測は他の大手も検討しており、回転レーンの裏ではハイテク競争が繰り広げられている。

 富士経済(東京・中央)は回転ずしの15年の市場規模は5700億円で、伸び率は前年比0.9%にとどまると予測する。競合するファミリーレストランは「価格が少し高くてもおいしいものが食べたい」という消費者ニーズで息を吹き返し、成長へのハードルは一段と上がった。革新を続ける企業だけが生き残りの権利を得ることができる。

 藤野逸郎、安倍大資、岩沢明信が担当しました。

2015/03/13 本日の日本経済新聞より「進化に挑む回転ずし(上)回らない店で都心攻略」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の消費Biz面にある「進化に挑む回転ずし(上)回らない店で都心攻略」です。

結局、すしが回転して店内を回ることから始まり、徹底した合理化が許される飲食店というジャンルを作り上げたのが、今のさらなる店舗運営合理化につながっており、新たな進化を遂げる立派なプロセスが出来上がっているところが素晴らしいと思います。大阪のある串焼き店もこうした回転ずしのノウハウを上手に取り入れ、高付加価値商品を効率的に販売してます。





 回転ずし各社が「稼ぐ力」強化に向け動き出した。消費増税後も客足は好調だが、各社の出店増で飽和が近づいているとの指摘も出始めた。大手は新たな顧客を獲得するため、これまで店舗網が薄かった都心部に攻め込んだり、IT(情報技術)を駆使して経営の効率を高めたりしている。食材費の高騰といった逆風も吹くなか、進化を遂げることはできるのか。

内装にこだわり1貫500円のすしを提供する(東京都目黒区、あきんどスシローの運営店舗)

 東京・中目黒の駅前通りに1月末、すし店「ツマミグイ」が開業した。おしゃれな店内には女性客やカップルが目立つ。友人と来店した長井純子さん(37)は「女性だけでも入りやすい」と話す。

高い皿+ワイン

 最大手のあきんどスシロー(大阪府吹田市)が出店した同店には、すし皿が回る回転レーンがない。客はタッチパネルで注文し、商品は店員がテーブルまで運ぶ。

 「回らないすし店」は賃料が高い都心部で出店を増やすための戦略1号店だ。郊外店は1皿2貫で税別100円が主力だが、ツマミグイは1皿1貫で同500円のものもある。数千円するボトルワインも出す。顧客1人当たりの売上高(客単価)は郊外店の4倍の4000円と見込んでいる。

 スシローの2014年9月期の売上高は1270億円と前の期比6%増。2ケタ増が続いたかつての勢いは鈍った。約390店の大半が郊外で「一層の成長持続には都心を開拓する必要がある」(水留浩一社長)。

 回転ずしは薄利多売で、売上高に占める原料費が40~50%と一般的な外食店より20ポイント前後高い。賃料負担の余地が限られる構造的な問題を抱えており、あきんどスシローはJR山手線の内側には1店もない。

客の「回転」早く

 ただ大都市は魅力的な市場。そこで出店を増やすには「稼ぐ力」の強化が不可欠だ。客が食事をする時間を短縮して回転率を上げ、都心出店をもくろむのが元気寿司だ。

 「魚べい」の渋谷道玄坂店(東京・渋谷)にも回転レーンはない。注文を受けた商品は、直線的な形状で客席とつながった高速レーンが1分以内で届ける。客が回転レーンを見ながら品定めする時間がなくなった結果、顧客の滞在時間は平均25分で郊外店より4割短く、売上高は2倍以上だ。

 1月からは、一皿10貫の盛り合わせを導入した。一見すると豪華な盛り合わせも、実は滞在時間短縮の仕掛け。「坪単価あたりの収益を少しでも高める」(大河原誠取締役)ためだ。

 元気寿司は現在首都圏の郊外で魚べいを拡大中だが、渋谷で蓄積したノウハウを生かした都心攻略をうかがっている。進化に挑む各社の動きが広がれば、回転ずし企業が運営する「回らない」すし店が増えることになりそうだ。

2015/03/12 本日の日本経済新聞より「FINANTIAL TIMES インド経済、飛躍の好機 改革、粘り強く実行を」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際1面にある「インド経済、飛躍の好機 改革、粘り強く実行を」です。





2015/03/12 本日の日本経済新聞より「利上げは3カ月に一度 米ピーターソン国際経済研究所長 アダム・ポーゼン氏」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のオピニオン面にある「利上げは3カ月に一度 米ピーターソン国際経済研究所長 アダム・ポーゼン氏」です。





 米雇用の回復傾向が鮮明になり、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを前倒しするという観測も強まってきた。これからの米金融政策は何が焦点となり、米国と世界経済はどこへ向かうか。識者に聞いた。

 ――2月の雇用者数は市場予測を大幅に上回り、米経済の底堅さを裏付けた。

 「米経済の先行きには明白なリスク要因はみられず、原油安もあって景気循環の面からみれば良好だ。ただ、従業員一人が生む付加価値(労働生産性)が下がっているのは気がかりだ。労働時間が長くなっているのに生産量が高まっていない。賃金の伸びが鈍い原因になる。ドル高で物価に下落圧力が高まっているが、一時的であり日本やユーロ型のデフレ懸念はない」

 ――17日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに「忍耐強くなれる」との時間軸(フォワード・ガイダンス)を修正するか。

 「表現は変更するだろうが、実際の利上げ時期はデータ次第でFRBも受け身にならざるを得ない。FOMC内では利上げの積極派と慎重派の距離が広がっている。圧倒的多数の支持で利上げしたいイエレン議長は調整に時間をかけるだろう。6月の利上げは難しく9月だとみる」

 ――利上げのペースを巡ってFOMCメンバーと市場参加者の予測のかいりが広がっている。

 「利上げ時期よりはるかに重要な点だ。利上げの間隔は3カ月に一度だろう。最初の3回ほどは慎重に上げ、それからペースを加速させていくはずだ。歴史を振り返ると、利上げ後の金利はFOMCの想定したシナリオに沿って動くことが多かった」

 「イエレン氏が引き締めに慎重なハト派とみるのは市場の過信だ。同氏の1990年代以降のFOMCでの投票行動や発言を分析するとそれほどハト派ではなく、条件さえ整えばためらいなく利上げに動く」

 ――米国で賃上げの動きは広がるか。

 「流通、保険などのいくつかの大手企業が賃上げに動いたが、理由は様々で賃上げ圧力が強まっているわけではない。本格的な流れだとみるのはまだ早い」

 ――政界でドル高への批判も強まっている。

 「米議会で真剣にドル高に怒っている議員は数人だ。議会の攻撃対象は為替でなくFRBそのものだ」

 ――世界経済の先行きをどうみるか。

 「今年の成長率見通しは中国が6.5~7%、米は2.75~3%、日本は1%超と上出来だ。ユーロ圏の見通しも1.5%に上方修正した。市場には過剰ともいえる悲観論が残るが、実際には世界経済はかなりよくなっている」

 ――日銀の追加緩和観測もくすぶっている。

 「労働市場の調整に伴って日本では一時的に賃金に押し下げ圧力が高まっているが、半年程度でインフレ率は上がってくるのではないか。黒田総裁のインフレ目標の枠組みは適切だが、約束の中身が具体的すぎる。(変動の大きいエネルギーなどを除く)コアのインフレ率でみた傾向を目標として掲げるべきだ」

(聞き手はワシントン=矢沢俊樹)

 Adam Posen 国際経済や金融政策の専門家で、1990年代の日本の金融危機に関する著書もある知日派。2009~12年には英中銀の政策委員も務めた。13年1月から米ピーターソン国際経済研究所長。米ハーバード大博士。

2015/03/11 本日の日本経済新聞より「大機小機 権威主義の崩壊」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合2面にある「権威主義の崩壊」です。





 社会が豊かになり価値観が多様化する中、権威主義からの脱却なくしてイノベーションは生み出せない。権威主義がはびこる組織はコンプライアンス(法令順守)上の課題を抱え、新しい発想を阻害し、衰退していく。

 ダイバーシティ(多様性)への抵抗は、権威に対する男社会の不文律が崩れることへの警戒感の表れ。ハラスメント問題の本質は、権威を笠に人を動かそうとすることだ。警察や軍隊、スポーツなど上下関係がはっきりした組織でいまだに多い。ハラスメント問題を起こす人の共通点は、役職にすがり肩書を利用して権威を振りかざすことだ。権威主義の下では組織に閉塞感が漂い、自由な発想が出てこない。

 弁護士や公認会計士などの専門家も、資格という権威だけで尊敬される時代は終わった。資格を背景に一方的に結論を示すのでなく、判断に至るプロセスこそ丁寧に説明すべきだ。結論ありきでなく、相手に納得してもらうことが大切だ。

 大学教育も大きく変わりつつある。教授という立場で体系的な知識を示すだけの一方的な講義では、学生は育たない。思考力が問われる時代、知識を活用する訓練が求められ、教授に期待される役割も変わる。

 権威主義に代わるアプローチが対話だ。多様な価値観の社会では、対話のプロセスが解決策をもたらす。唯一絶対の解決策がない時代だからこそ、対話を通じて着地点を模索する。創造的な問題解決に導くには、利害調整力(ファシリテーション)が求められる。

 問題解決のため最近着目されているのが「交渉学」だ。経験や駆け引きで相手を説得する交渉術ではない。ウィンウィンの着地点を探る交渉力が求められる。

 例えば第1次産業などの分野では、有識者が権威を背に体系的な知識を一方的に教えても浸透しない。対話を通じて関係者の理解を深める必要がある。イノベーションにつながる新しいアイデアは、様々なバックグラウンドを持つ人々が「よそ者視点」で対話を重ねることで生まれる。

 今の時代に不可欠なことは、権威ではなくフラットな関係による対話だ。そのためには、交渉学の基本であるミッションの共有に向けた事前準備と論理的思考に加え、信頼関係の構築が前提であることを忘れてはならない。

(小五郎)

2015/03/10 本日の日本経済新聞より「経営書を読む コッター著「第2版 リーダーシップ論」(1) リーダーシップとは何か 「マネジメント」とは異なる」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のキャリアアップ面にある「コッター著「第2版 リーダーシップ論」(1) リーダーシップとは何か 「マネジメント」とは異なる」です。





 昨今、日本の経済界のみならず、政治、社会全体で「リーダー人材」や「リーダーシップの発揮」が求められています。しかし、「リーダー」や「リーダーシップ」はどんな人やどんな行動を指すのか、人によって意見が異なっています。

 コッター教授は30年間にわたるリーダー研究を基にリーダーシップの本質を本著で明らかにしています。現在の組織の大半では「あるべきリーダーシップ」が欠けていると指摘しているのです。

 その問題意識の根源には、組織のマネジャーとリーダーが混同されがちということがあります。

 マネジャーとリーダーは異なるものの、組織内では補完し合う関係であるとも述べています。現在の大組織を動かしてゆく上で、この両者はともに必要ということです。

 それでは、マネジャーとリーダーがどう違うのかを見てみましょう。

 マネジメントやマネジャーは、20世紀の企業が大組織になる過程で生まれてきたものです。組織が大きくなるにつれ、組織内の分業が進む一方、各機能の調整や統制をしないと大企業は秩序を失い、存続自体が危うくなります。そのような状態を避けるため、調整や統制の役割を担うのがマネジメントであり、マネジャーの役割なのです。

 マネジャーの仕事とは、計画作りと予算化であり、担当部門の目標を決め、その実現と進捗管理、他部門との調整、その過程で生じる問題解決が主な仕事となります。

 リーダーとは変革を行う人のことです。

 リーダーは組織が進むべき方向やビジョンを示し、メンバーに方向を理解させ、各自の心をまとめて変革をなし遂げます。進むべき方向を示すことやメンバーを動機づけること、人々を鼓舞することが仕事の中心となります。

 マネジャーとリーダーの仕事、マネジメントとリーダーシップは明確に異なります。これらを組織の中で明確に使い分けることが必要です。

2015/03/10 本日の日本経済新聞より「一目均衡 ROE最貧国からの脱出 編集委員 三反園哲治」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資情報面にある「ROE最貧国からの脱出 編集委員 三反園哲治」です。

結局、企業はビジネスですので、お金をうまく使って効率的に稼ぐ力を持っている会社、そういう会社に更に資本が集まるということです。





 山陽新幹線を広島県の福山駅で降りるとテレビドラマ「流星ワゴン」のポスターがよく目についた。福山市の景勝地「鞆の浦」がロケ地となり、地元は知名度アップに熱が入る。しかし、福山市には今や世界が注目する会社がある。思い切った資本政策を発表し、株価が急伸した青山商事だ。

 「自己資本利益率(ROE)を意識した経営を求める方向へ社会の流れが変わった。当社の株式の約40%を持つ海外投資家の理解を得るためにもROEの向上が必要と考えた」。青山理社長はこう語る。

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 青山商事は純利益の130%相当を配当や自社株買いに回す方針を1月下旬に公表した。M&A(合併・買収)による事業領域の拡大などと並び中期経営計画の柱の一つだ。計画の最終年度にあたる2018年3月期にはROEを7%へ上げる目標も掲げた。

 昨年スタートした株価指数「JPX日経インデックス400」に、同業のAOKIホールディングスが入る一方、紳士服トップの青山商事は選から漏れた。指数は資本効率などをもとに会社を選別する。ライバルの前期ROEが8%台に対して青山商事は5%台だ。青山商事は膨らみすぎた資本を圧縮しつつ、利益も伸ばしROEを高める。

 海外投資家に影響力を持つ米国の議決権行使助言会社は、資本効率の低い会社の経営トップの再任に反対する方針を公表している。政府も成長戦略の一環として企業に経営改革を迫る。上場会社に財務戦略などを提案するゴールドマン・サックス証券の清水大吾氏は「ROEを高めるよう企業への圧力が一段と強まってきた」と話す。

 名古屋市のサンゲツは昨年11月、純利益の100%以上を株主配分する方針を発表した。自己資本比率は80%を超え過去5年間のROEは平均3%台だった。安田正介社長は「ROEが低いまま余剰なキャッシュを抱えていては、株主の理解を得られないと考えた」と打ち明ける。昨年3月末で約1200億円あった自己資本を、3~5年かけ100億~200億円圧縮する方針を掲げる。

 安田社長は資本政策を練る際、株主である独立系運用会社みさき投資に助言を求めた。株主との対話を経営に生かす好例でもある。みさきの中神康議社長は海外に比べ日本企業のROEが低い現状を「ROE最貧国」と呼ぶ。「ROEなど資本生産性を高める動きが広がり、資金獲得の面で日本企業の国際競争力が高まってほしい」と期待する。

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 資本生産性の低さが海外投資家が日本を敬遠してきた理由だ。中神氏によると13年までの10年間の平均ROEは日本が約7%で、米国の約15%、中国やブラジルのそれぞれ12%台などに劣る。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏もかつて、日本株を買わない理由としてROEの低さをあげた。株高を維持するには、企業がROE最貧国の汚名を返上する努力を続けることが欠かせない。



2015/03/09 本日の日本経済新聞より「文武両道、効率で勝負 名大150キロ投手の七原さん 受験勉強、弱点を集中的に 勝てる投球、理由考え抜く」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の大学面にある「文武両道、効率で勝負 名大150キロ投手の七原さん 受験勉強、弱点を集中的に 勝てる投球、理由考え抜く」です。

これぐらいの年齢の時から、このような考え方ができる方は大成する、まさにその確固たる事例として取り上げます。非常にロジカルでこのスタンスに集中しているところが素晴らしく思います。地頭の違いなど、七原さんにあって自分に無いものを理由にして、自分ではまねできない、このような卑下はやめた方がよさそうです。地頭がなくともスタンスは堅持して、ご自分ができることをしっかりやることが大切と思います。





 学生スポーツの永遠のロールモデルともいえる「文武両道」を地で行く大学生が名古屋にいる。名古屋大のエース兼4番打者だった七原優介さん(22)。最速152キロの快速球でプロのスカウトをうならせてきた。野球も勉強も、徹底的に弱点と向き合って解決を試みるのが彼の流儀だ。

徹夜はしない

 ――高校からエースで4番でしたね。難関の名大に現役合格するまで、どのように受験勉強をしましたか。

 「高3の夏、愛知県予選の3回戦で敗れてしばらくは切り替えができませんでした。新人戦を見に行き、気持ちの整理がつきました。9月からは受験に向けて問題集を解き始めました」

 「勉強は弱点を埋めていく作業です。間違えたところを集中して覚えるように心がけました。休日の勉強時間は家で4、5時間くらい。徹夜は一度もしたことがありません。試験で眠くてボーッとしたら意味がないじゃないですか」

 ――具体的にはどんなやり方で勉強を。

 「日本史や生物は覚えるだけでした。数学も解き方を理解していればあとは頭の体操です。わからなければすぐに解答を見ました。要はどれだけ問題をこなすかです。英語も長文は慣れですし、単語は文法や例文の中で覚える工夫をしました」

 ――効率をかなり重視されていたとか。

 「私は朝は寝たい時間まで寝て、見たいテレビがあれば我慢せずに見る。残った時間をどこまで効率的に使って勉強するかを考えていました」

 ――効率的な勉強法を野球の練習にも応用されたのですか。

 「大学に入って強く意識するようになりました。限りある練習時間の中で、考えて練習に取り組みました」

 「高校時代の直球の最速は142キロ。大学1年生の時は4部リーグでも簡単に打たれる投手でした。そこで目標にしたのは勝てる投手です。どうしたら勝てるのか、打ちづらいのか。理由を考え続けました」

 「勉強もスポーツも急に良くはなりません。目標を持った積み重ねが大事です。直球が152キロを計測したのは大学に入学して1年以上たってからです。足りない筋肉を強化し、体幹を鍛えていたら、出ちゃった感じでした」

卒論は「部活」

 ――体育会と学業をどう両立しましたか。

 「授業には基本的に出席していました。1限目が始まる10分前には教室に着けるように、自宅を出ていました。成績は良くもなく悪くもなく。卒論の関連を除けば3年生までに単位をすべて取り終えました」

 ――文武両道は難しくなかったのですか。

 「難しいとは思います。高校も大学も部活の練習時間は短かったです。重要なのは部活は部活、勉強は勉強とけじめをつけることではないでしょうか」

 ――大学の卒論のテーマは。

 「専攻は教育社会学で、卒論のテーマは『高校の運動部活動』。日本の部活は世界的にも特殊です。なぜ勝利至上主義を貫くのか。日本の部活が成立した歴史や背景から研究しました」

 ――4月からは社会人野球の名門、トヨタ自動車に進みます。同じく国立大の豪腕で注目された田中英祐投手(京大)はロッテに入団しました。

 「すでに練習に合流していますが、体力作りの毎日です。プロ野球に行けるかは別として、目指すのは重要だと思っています。そのためには勝てる投手に成長しないと、ここに来た意味もありません」

2015/03/09 本日の日本経済新聞より「日欧経済成長への課題 人口減、生産性向上で対応 ボストンコンサルティンググループ会長 ハンスポール・バークナー氏」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合・経済面にある「月曜経済観測 日欧経済成長への課題 人口減、生産性向上で対応 ボストンコンサルティンググループ会長 ハンスポール・バークナー氏」です。

一流経営コンサルタントBCG総帥の発言として、注目しました。確かに、人口減を生産性で賄う、これは一理あるかもしれません。





 先進国経済が頭打ちとなっている。米国は上向きだしたものの、欧州や日本の足取りは重い。日欧共通の課題と打開策をボストンコンサルティンググループ(BCG)のハンスポール・バークナー会長に聞いた。

 ――ユーロ圏の「日本化」が指摘されています。

 「イタリア、スペインなど南欧諸国の失業率は高いが、ドイツなどの諸国はそうではない。直近の消費者物価下落は石油・ガスなど商品価格の下げによるもので、構造的なデフレとは異なる。仮に石油価格が今の2倍でインフレ率が2%になるなら、そちらの方が良いというのだろうか」

成長は1%台に

 ――それでも欧州経済の停滞は否めないのでは。

 「中長期的な問題は人口の停滞だろう。ざっとみて人口の半分は50歳以上だ。そのような条件のもとでは欧州の実質成長率はせいぜい年1~1.5%。うまくいけば2%成長の年もあるが、反対に0.5%に落ちることもある。人口減に見舞われている日本の成長率も同程度だろう」

 ――成長率を高めるのは難しいということですか。

 「人口停滞の向かい風が吹くからこそ、今まで以上に生産性の向上に努める必要がある。教育で個人の生産性を上げる。定年年齢を引き上げ、生涯のうちで働く期間を長くする。技術力のある外国人を受け入れる。欧州ではこれらの課題に取り組んでいる」

 「中長期的には自由貿易協定をバネに競争力を向上させることも欠かせない。労働市場を開放し、事業の立ち上げを容易にするのが課題。米欧間の環大西洋貿易投資連携協定(TTIP)の締結も望まれる」

 ――米国については前向きにみておられます。

 「人口面で米国は日欧に比べて明るい。ロボットを通じた生産性向上、様々なモノがインターネットにつながる時代の製造業など、先端的な取り組みも評価できるだろう」

ロボットを活用

 ――日本はどうですか。

 「例えばロボット。工場はロボットの利用で世界のトップを走っている。ロボット・メーカーであるファナックのような企業は、世界でも競争力が高い。サービスの分野でもロボットを活用しフルに自動化したホテルがあると聞く」

 ――ロボット活用で、日本の製造業は2025年までに人件費を25%抑えられると試算されましたね。

 「日本は人口減の問題を移民ではなく、自動化によって乗り切ろうと選択しているようにみえる。人手不足への対応は急を要する」

 ――成長戦略の評価は。

 「欧州と同じく市場を開放し、競争力を高めることが大切だ。円相場は1ドル=120円近辺とすでに十分安い。一層のグローバル化に加え、イノベーション(革新)、構造改革、成長を本格化すれば、日本企業は相当に強くなる

 ――ご指摘のような市場志向の路線には、ここへきて批判も強まっています。

 「リーマン・ショック後の金融危機を経て、市場経済の信頼が損なわれた面は否めない。ただ問題を解決するためと称して、政府の介入を当然だと思う雰囲気が広がるのは危険だ。分配を論じる前に、分配の基になる成長を考えるべきだ」

(聞き手は編集委員 滝田洋一)

2015/03/08 本日の日本経済新聞より「がん社会を診る 働く女性、検診しやすく 中川恵一」

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の健康面にある「働く女性、検診しやすく 中川恵一」です。





 がんは一種の老化で、定年延長は現役会社員にがんを急増させると繰り返しお伝えしてきました。また、若い世代では男性より女性にがんが多いため、女性の社会進出により若い社員にがんが増えることになります。

 厚生労働省も現役会社員へのがん対策に力を入れており、職域でのがん検診受診率の向上やがん患者の就労などを支援する国家プロジェクト「がん対策推進企業アクション」を6年前から推進しています。私もアドバイザー会議議長として応援しています。

 このプロジェクトに賛同して「パートナー企業」として登録している企業は2月25日時点で1543社、総従業員数では344万4120人に上ります。そして今回、パートナー企業を対象としたアンケート調査を実施し、413社から回答を得ました。

 がん検診の受診率は全体で71.4%、とくに肺がんでは88.6%に達しました。しかし、乳がんでは57.1%、子宮頸(けい)がんでは50.5%と、若い女性に多いがんの受診率は低いままです。

 なお、2013年の国民生活基礎調査でも、胃、肺、大腸のがんに対する検診はそれぞれ69%、73%、67%が職場で受けていたのに対し、乳がんは50%、子宮頸がんでは43%にとどまりました。女性も仕事を持つのが当たり前になった今日、職場で女性が検診を受けやすくする環境整備が必要でしょう。

 今回のアンケート結果では、推奨できない検査方法を採用していたり、受診すべき年齢でない社員に実施したりといった問題点も浮かび上がってきました。科学的に有効性が示されていないがん検診は、無駄な被ばくなどのマイナス面がプラスを上回る可能性があり、要注意です。

 また、検診によってがん死亡を減らすには受診率を上げるだけでなく、指示された場合は精密検査を受けなければなりません。実際には、3割近い企業で精密検査を受けた社員の数を把握できていませんでした。

 さらに、がんと診断された社員の数を把握できていない企業が7割に上り、大企業ほど未把握率が高い傾向にありました。仕事と治療の両立に向けて支援している企業はわずか11%で、会社でのがん対策の強化が求められます。

(東京大学病院准教授)

日本経済新聞の本日の記事から