Wの未来 俺に任せろ(2) スゴ腕主婦を味方に 活躍の舞台をつくる 2014/09/15 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の1面にある「Wの未来 俺に任せろ(2) スゴ腕主婦を味方に 活躍の舞台をつくる」です。

雇用の多様化により、企業が価値のある人材を大切にする仕組みや制度がようやく形になって来始めた、そのようなことが書いてある記事です。従業員を宝のように大切にする加賀屋の例は、このご時世、この時代に限らず、企業理念として確固たるものがあることを感じさせますが、今後、人手不足が深刻化する中で、モノやカネでは補えないヒトを大切に扱う企業が増えてくれば、労働法制も過重な労働者保護から脱皮し、規制緩和につながってくるような気がします。





 老舗旅館の加賀屋(石川県七尾市)の質が高いおもてなしには秘密がある。150人いる客室係のうち約30人はシングルマザーだ。「苦労している分、思いやりがあり真摯に働く」。社長の小田與之彦(45)はその強みを語る。

女性が働きやすい仕組み作りに動く小田社長(石川県七尾市)

 旅館から徒歩5分に保育園と母子寮も完備し、泊まり客のもてなしに集中してもらう。環境がよければ職場への定着率も上がる。母子家庭の働く女性に救いの手をさしのべつつ、接客の品質向上につなげている。

■求む母子家庭

 客室係の女性(43)は7年前、雑誌の求人広告で加賀屋を知り、1歳の娘と福島県から移り住んだ。「保育園と母子寮がなかったらやってこられなかった」と話す。今は小学校にあがった娘の放課後も同じ保育園が面倒をみる。

 加賀屋は手厚い支援で女性の力を最大限に生かす一例だ。女性活躍のため知恵を絞る男性はまだいる。

 三原邦彦(44)は2002年に、主婦を職場にパートタイムで派遣する人材会社ビー・スタイル(東京・新宿)を創業し社長を務める。「結婚や出産をきっかけに、仕事から離れるのはもったいない」。前の職場で優秀な女性の多くが主婦になるのをみて思ったのが起業の原点だ。

■4万人に雇用

 主婦向けに特化する三原の会社は週3日だけ、午前中や月末だけなど柔軟な働き方ができる職場を紹介する。主婦と会社のニーズを細かく管理するノウハウを築き、のべ4万人の雇用をこれまで生んだ。

 都内の嶋田光恵(37)も利用者の一人だ。夏から1日6時間半勤務で週3日だけ、ベンチャー企業で広報やマーケティングを担当する。3歳の子どもの育児をしながら、音楽業界でイベント企画などを手掛けてきたスキルも生かせ、仕事に手応えを感じている。

 働く女性の約6割は第1子の出産をきっかけに退職する。一度辞めると専門知識や能力を生かす仕事を見つけるのは難しい。家事や子育てと両立できる勤務条件の仕事は少なく、再就職をあきらめる主婦も多い。就職活動はしていなくても働きたいと思っている女性は300万人を超える。多くの人材が埋もれている。

 印刷会社の金羊社(東京・大田)で事業推進部長を務める浅野晋作(36)は最近、事業を多角化するなかでスゴ腕の主婦(41)と出会い考えが変わった。仕事をやめた主婦と企業を国が結びつける「中小企業新戦力発掘プロジェクト」を通じ最初は実習生として受け入れた。ところが、母親向け通販・情報サイト立ち上げの中心メンバーとなった働きぶりが目をひいた。

 浅野は悟った。「優秀な人材を得るには多様な働き方を認めるべきだ」。会社にいる約270人はほぼ全員が正社員で勤務時間帯も一律だ。浅野は米グーグルの日本法人などを訪ね新しい職場のあり方を探る。主婦には今も1日4時間だけ働いてもらっている。

 人口が減る日本の経済が成長し続けるには女性の力が要る。現状は長時間労働や画一的な勤務体系が女性の活躍を阻む。多様な働き方を工夫し女性の力を引き出す男性たちの姿は人材を生かす道を示す。=敬称略

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